2023年4月5日(水)
戦争の危険引き寄せる 安保3文書
日米の攻撃力増強 地域に緊張生む
衆院本会議 赤嶺氏が批判
日中共同声明 首相「両国間で確認」
衆院本会議は4日、岸田文雄首相から安保3文書について報告を受け、質疑を行いました。日本共産党の赤嶺政賢議員は、日米一体の敵基地攻撃能力増強が地域の緊張を生み、戦争の危険を引き寄せると批判し、包摂的な平和の枠組みを発展させる外交にこそ取り組むべきだと訴えました。
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赤嶺氏は、敵基地攻撃をめぐる議論で欠かせない視点として在日米軍の存在を提起。世界で唯一空母打撃群と海兵遠征軍が前方展開し、さらに近年は、オスプレイや無人偵察機の配備、海兵沿岸連隊への改編など、新たな部隊の増強が進められていることをあげました。
赤嶺氏は、公然と先制攻撃戦略を掲げ、国際法違反の侵略戦争を繰り返してきた米軍の強大な攻撃戦力の存在が周辺諸国に脅威を与え、軍拡を誘発する要因になってきたと強調し、そこに日本が加わり、他国に脅威を与える攻撃的兵器を日米一体で増強することは「憲法9条に反することは明らかだ」と批判しました。首相は敵基地攻撃能力保有が「抑止力・対処力の向上につながる」と従来の答弁を繰り返しました。
赤嶺氏は、2008年の日中共同声明が「双方は、互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならない」と確認したことに言及し、「こうした土台を再確認し、平和と友好の関係を確かなものにしていく外交に取り組むべきだ」と主張。首相も08年の共同声明の確認事項は「日中間のさまざまな意思疎通の場で確認している」と述べ、建設的で安定的な関係を構築する考えを示しました。
赤嶺氏は「今必要なのは戦争の準備でなく平和の準備だ」と強調。憲法9条を生かした平和外交を求めました。