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2023年3月26日(日)

南シナ海 協議で対処

比・中国合意 攻撃的行為の自制を

 【ハノイ=面川誠】フィリピンと中国は24日にマニラで開いた第7回「2国間対話メカニズム」会合で、両国の主権争いが続く南シナ海問題について、「友好的な協議を通じて緊急事態に対処する」ことで合意しました。両国が会合後、それぞれ発表しました。フィリピンは中国に「攻撃的な行為の自制」を求める一方、海洋分野で「実践的な協力」に前向きな姿勢を示しました。


 2017年に始まった「2国間対話メカニズム」は南シナ海問題を定期的に話し合う枠組み。今回の会合ではフィリピンのラザロ外務次官と中国の孫衛東外務次官が共同議長を務めました。

 両国は東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国と中国が紛争防止のために02年に合意した「南シナ海行動宣言(DOC)の完全かつ実効的な履行」と、DOCをいっそう強化する「南シナ海行動規範(COC)の締結に向けた協議の加速」も改めて確認しました。

 フィリピン側の発表によると、「両国は1982年の国連海洋法条約を含む国際法の順守と、南シナ海の平和と安定へのコミットメントを再確認」し、双方が「信頼醸成と緊張の管理に向けた海洋協力を進める方法を模索」しました。国連海洋法条約に基づく常設仲裁裁判所による2016年の裁定についても意見交換しました。同裁定は南シナ海のほぼ全域にわたる中国の主権主張を否定しており、中国は一貫して受け入れを拒否しています。

 中国側の発表によると、両国は外務省間のホットラインを活用して対話と交流を促進することを確認。「2国間対話メカニズム」の役割をいっそう活用し、外交、防衛、沿岸警備、石油・天然ガス開発、漁業、海難救助、海洋科学研究と環境保護などの分野で「実践的な協力」を促進することに合意しました。

 ラザロ氏は「フィリピンと中国の間で起きる海事関連の事件のニュースではなく、互いに有益な努力に関するニュースが報道される日を待ち望んでいる。それは攻撃的な行動を自制することから始まるということを最大限に強調したい」と述べました。

 フィリピンは昨年6月のマルコス政権発足後、南シナ海での行動に関して中国に80件以上の文書または口頭による抗議を行っています。


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