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2023年3月23日(木)

きょうの潮流

 「ふだんと変わらない自分でいること。それを崩してしまうと、このようなタフな大会では自分を支えきれない」。14年前、日本を優勝に導いたイチロー選手は重圧の胸中をそう語りました▼2009年のWBC大会決勝。韓国の抑えのエースとの対決は今も名勝負として語り継がれています。大谷翔平選手をはじめ今回の日本代表の多くもその姿にあこがれたと口にしています▼あのイチローさんでさえ、平常心でプレーすることが難しかったという大舞台。苦しみながらも3大会ぶりに栄冠をつかんだ日本代表のたたかいは、たくさんの人びとや子どもたちの胸をゆさぶり、感動や夢をもたらしました▼WBCにたいしては、日本のように熱くなる国もあれば、冷めた所もあります。野球の本場、米国も力を入れてきたとはいえベストメンバーとは言えません。そもそもサッカーやラグビーなどと比べても野球は世界的にすそ野が狭く、今大会も予選をふくめ28カ国・地域の参加にとどまっています▼WBCの目的は野球の国際化を促し競技を普及させること。投打で活躍しMVPに選ばれた大谷選手も「日本だけでなく、ほかの国も、もっともっと野球を大好きになってくれることを願っています」と期待を込めていました▼2006年から始まったWBCはまだ5回目と若い大会です。育てていくためには、先進の米国や日本の関係組織のさらなる努力が求められます。選手たちの努力や奮闘によってまかれた種を広く大きく咲かせるために。


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