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2023年3月21日(火)

医療費負担2倍化 「とても重い」3割

75歳以上調査 民医連会見

リハビリ減らそうかと 薬減らした 生活費削って捻出

 岸田文雄政権による75歳以上の医療費窓口負担の2倍化について、昨年10月の実施後の影響をアンケート調査した全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)が20日、都内で会見し、当事者の約3割が「とても重い」負担を感じていると明らかにしました。専門家は、この制度について「社会保障制度の後退政策」であり、憲法違反と指摘しました。


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(写真)会見する全日本民医連の人たち=20日、東京都千代田区

 調査は、昨年12月から今年2月まで行われ、1万5368人が回答しました。75歳以上で2倍化になったと回答した7615人中、2039人(27%)が「とても重い」負担感があると回答。一方、2倍化以前についても「とても重い」負担感は1263人(17%)でした。

 当事者の声として、「負担が重いのでリハビリなどのサービスを減らそうか考えている」など受診控えの声や「薬を減らした」との声がありました。また、「必要な治療・薬なので受診しなければならない。負担が増えるのは苦しいが生きるために必要。(生活費など)他を削ってでも(捻出しなければ)と思う」などの声もありました。

 オンライン参加した神戸大学の井口克郎准教授は、2倍化制度について「社会保障制度の後退政策で、即時、撤回が必要だ」と批判。憲法25条や国際人権規約にも違反すると指摘した上で、社会保障費の確保には、大企業への課税強化が「有効な方策だ」と話しました。

 全日本民医連の岸本啓介事務局長は、「定期受診や投薬を控えれば、基礎疾患や慢性的な病気を抱える高齢者にとって、相当程度の病状の悪化を引き起こす原因になる」と批判しました。

 2倍化になった人には、2025年まで外来の負担増を月3千円以内に抑える「配慮措置」があります。

 しかし、手続きが必要です。同調査で、「手続きをしていない」と回答(複数回答項目)したのは4154人。その半数が「手続きの仕方がわからない」と回答しました。佛教大学の長友薫輝准教授は、「(政府は)配慮措置の利用を促す必要がある」と述べました。


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