2023年3月10日(金)
東京大空襲追悼 平和 守り続けます
「時忘れじ」と海老名さんら
太平洋戦争末期に推計10万人以上が犠牲となった東京大空襲から10日で78年となるのを前に、9日、東京都内各地で追悼行事が開かれました。
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東京都台東区の追悼碑と母子像の前では、「時忘れじの集い」が開かれました。エッセイストの海老名香葉子さんの呼びかけによるものです。遺族など多数の人たちが出席しました。
1945年3月10日未明に始まった空襲では、米軍のB29爆撃機約300機が東京・下町の人口密集地に集中して焼夷(しょうい)弾などを投下。非戦闘員を標的にした無差別攻撃で、犠牲者の多くは一般市民でした。
追悼碑と母子像は、空襲で両親ら家族6人を失った海老名さんが、有志と2005年に建立しました。2020年以降は新型コロナウイルスの感染拡大で中止となっていましたが、今回は規模を縮小して行われました。
海老名さんは「今ウクライナで苦しんでいる人たちのことを思うと胸が苦しくなります。戦争で犠牲になる人たちは市民です。『戦争はあってはならない』と小さな声でも上げ続けたいです」と語りました。
漫画家のちばてつやさんは、終戦直後に中国大陸にいたときの体験を語り、「戦争は本当に残酷です。未来の子どもたちが平和な世の中を守り続けてほしい」と話しました。
「地球のみんなが平和に暮らせるように」との願いを込めて海老名さんが自ら書いたという『ババちゃまたちは伝えます』を、区内の幼稚園に通う園児や、朝鮮学校の幼稚班の園児らが合唱しました。