2023年3月4日(土)
徳之島で日米共同訓練
鹿児島 公共海岸使い強襲上陸
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中国を念頭に置いた大規模な日米共同訓練「アイアン・フィスト」が3日、鹿児島県の徳之島で報道公開され、水陸両用部隊による着上陸訓練=強襲上陸などを実施しました。米中の緊張が続く「第1列島線」上で日米の一体化を誇示する狙いです。
3日午後の訓練では、約10隻の偵察ボートから陸自部隊が上陸した後、米海兵隊が偵察ボート約20隻から上陸。銃などを構えた兵士200人余りが次々と砂浜に滑り込みました。その後、沖合に停泊する海自輸送艦「おおすみ」や米海軍のドック型輸送揚陸艦「グリーンベイ」から発進した水陸両用車(AAV)が上陸しました。
上空では、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属のMV22オスプレイ2機と陸自V22オスプレイ1機が編隊飛行し、海岸線を警戒しました。
参加部隊は“日本版海兵隊”と言われる陸自の「水陸機動団」と、在沖縄米海兵隊の最精鋭部隊である第31海兵遠征隊(31MEU)など。徳之島での訓練には、陸自500人、海自200人、米海兵隊600人、米海軍200人が参加しました。徳之島での日米共同訓練は昨年11月に初めて実施して以来2回目です。
前回に続き、公共の海岸などを一時使用し、強襲上陸を実施。「有事」をにらんだ島の軍事化を加速させる動きです。
訓練後の会見で、第3海兵遠征旅団のフリデリクソン団長は「離島奪還作戦」を実施した場合に住民が巻き込まれる危険性について問われましたが、「安全確保のためには、さまざまなシナリオで2国間演習を行うことが大事だ」と述べるにとどめました。