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2023年3月3日(金)

スト共感 労組加入続々

20年以上ベアなし打開へ

都の水道外郭団体 全労連・全国一般

写真

(写真)ストライキでこぶしをあげる組合員たち=22年6月、東京都新宿区

 東京都の水道事業外郭団体の労働者でつくる全労連・全国一般労働組合東京地本一般合同労組TW分会(旧PUC分会)は、昨年の春闘で、20年以上も賃上げ(ベースアップ)が実施されていない状況を打開しようと7年ぶりのストライキを実施しました。共感した労働者が相次いで加入し組合を拡大させるなかで、今年もストを構えて春闘に挑みます。

 TW分会の組合員が働く東京水道は、都の外郭団体の合併で2020年に発足し、都水道局が80・4%出資。料金徴収事務などのITシステム開発・運用、営業窓口、水道管の維持管理などをしています。会社は旧PUC時代の2015年、従来の正社員より処遇の低い「専任社員」(限定社員)を一方的に導入し、全体の処遇を抑えてきました。

 組合は、東京都労働委員会にあっせんや不当労働行為の救済を申し立ててたたかい、専任社員の処遇を正社員に近づける前進がうまれました。このたたかいで専任社員40人近く、全体で60人以上が組合に加入しました。

 専任社員の処遇は一部改善したものの、会社は02年からベアゼロ回答を続けたままです。昨年の春闘で、組合は納得いかない回答には必ずストライキを実施してたたかおうと、例年より早期に準備を開始。職場ニュースで、各サービスステーション・営業所から集合するよう呼びかけました。

 6月9日、本社のある新宿の高層ビル37階に組合員160人が結集し、シュプレヒコールをあげました。

 会社はストを受けてもベアを拒否。しかし、労働者の要求を正面から掲げる組合への共感が広がり、スト実施の前後で50人近くが新たに組合に加入し、その後も加入が続いています。

 今年の春闘アンケートは深刻です。「入社して十数年たつが、一度もベアがない」(30代)、「物価高でほとんどの商品が値上がりしている。経営側には私たちの生活が苦しいということを知ってほしい。ベアを切実にお願いしたい」(30代)などの声が書き込まれています。

 要求額の加重平均は3万5036円。組合はベア3万5000円などの要求を掲げました。

 武田和志分会長は「外郭団体の合併で、小池百合子都知事の元秘書が社長となっているが、会社は都の意向ばかりを気にしていて、労働者の生活をみていません」と批判。「ストライキや東京都労働委員会、都議会への働きかけなど、あらゆる手段でベアを実現したい」と強調しています。(田代正則)


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