2023年2月15日(水)
校閲の目
ジェンダーガイドライン ポイント(6)
企画立案の段階から丁寧に検討する
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ジェンダーガイドラインのポイント(6)は「企画立案の段階から丁寧に検討する」です。
個々の記者まかせではなく、集団で検討していくことが大切です。たとえば取材相手の属性は、見た目から判断して男性・女性と書くことが一般的でした。しかしトランスジェンダーの人などは外見からはわかりません。また性的指向や性自認を紙面に載せるのか、夫婦の場合、別姓なのか同姓なのか、年齢はどこまで書くのかなど、企画立案の段階からよく話し合って認識を共有し取材することが必要になってきます。
性暴力被害取材の場合は、相手が「自分だったら」「家族だったら」ということを常に考えて取材することが必要です。性暴力と報道対話の会の「性暴力被害取材のためのガイドブック」には、取材を申し込むときの確認事項や、ゆっくり時間をかけて相手の言葉を聞くこと、報道後の相手の感想や気持ちが不安定になっていないかを尋ねることなどが書かれています。被害者に寄り添った取材をします。
新聞労連が昨年出版した『失敗しないためのジェンダー表現ガイドブック』では、小手先の表現の言い換えだけではなく、私たち記者の認識を最新のものにしていくことが必要だとしています。運動をされている方々や読者のみなさんの声にも学び、取り組んでいく決意です。(河邑哲也)
「ジェンダーガイドライン」の項はおわり。1月4日、11日、18日、25日、2月8日付で掲載しました。