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2023年2月9日(木)

論戦ハイライト

ミサイル配備 県民愚弄

衆院予算委 南西諸島基地化 赤嶺議員が追及

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首相 具体的内容答弁控える

赤嶺氏 ごまかし許されない

 「沖縄県民に説明せず、長距離ミサイルを配備する。県民を愚弄(ぐろう)するやり方だ」。日本共産党の赤嶺政賢議員は8日の衆院予算委員会で、市民に一切説明せず、南西諸島をミサイル基地化する問題を追及しました。

七つ全てに

 敵基地攻撃可能な長射程ミサイルの沖縄への配備について「具体的な配備先は決まっていない」と答弁する岸田文雄首相に対し、赤嶺氏は「本気で受け取る人はいない」と強調し、安保3文書では陸上自衛隊の地対艦ミサイル連隊を、現在の五つから七つに増やし、その全てに長射程ミサイルを配備する計画だと指摘。沖縄では宮古島に部隊が置かれ、2022年度中には石垣島に、23年度には勝連駐屯地(うるま市)に新編する計画だとして、「こうした部隊のミサイルを長射程に置き換え、沖縄に配備するのは明らかだ」と強調しました。

 さらに、沖縄にミサイル部隊を配備する際に政府は「防衛上の空白を埋める」ためだと説明していたにもかかわらず、敵基地攻撃可能なミサイルを配備し、真っ先に攻撃対象となる基地にしようとしていると強調。「『話が違う』との声があがるのは当然だ。与那国島では計画にはなかったミサイルが配備され(ようとしており)、『米軍は絶対来ない』と言っていたが米軍の訓練が行われている。防衛省はまともな説明をしたことがない。県民を愚弄するやり方だ」と厳しく批判しました。

 これに対して浜田靖一防衛相は、「厳しい安全保障環境を踏まえれば南西諸島の防衛態勢の強化は喫緊の課題だ」と断言。南西諸島への長距離ミサイル配備の重点配備を事実上認めました。

 赤嶺氏は、本土に出ている若者が「自分たちは将来石垣に戻れるのか」と話したり、宮古島に住む母親が「息子に『この島で根を張って暮らして』と言えない」と不安を語ったりしていると紹介。「住民に大きな不安を巻き起こしている。政治の責任を果たしていない」と迫りました。

 首相 南西諸島の防衛態勢の強化は国民保護の観点でも重要だ。

 赤嶺 その言葉を沖縄県民が信用すると思うのか。沖縄戦の最大の教訓は「軍隊は住民を守らない」ということだ。沖縄担当大臣もやった首相は知っているはずだ。

 また赤嶺氏は、「台湾有事」を想定した日米共同作戦計画を米軍と自衛隊が策定しているとの報道に言及。報道では、台湾有事の際、米軍が南西諸島の約40カ所の拠点から中国艦艇へのミサイル攻撃を行い、自衛隊が安保法制に基づき後方支援するとしています。赤嶺氏は計画の存在をただしました。

 首相 具体的な内容は答弁を控える。防衛力を強化するのは、国民と命と暮らしを守るためだ。

 赤嶺 南西諸島の住民は国民じゃないのか。長距離ミサイルが配備されて、おびえる人たちがいる。命を守るためと言ってごまかすのは許されない。

説明を迫る

 赤嶺氏は、「2プラス2」で共同計画作業の「着実な進展」を歓迎し、沖縄の海兵隊を「海兵沿岸連隊」に改編すると確認したと指摘しました。同部隊は、小規模な部隊が分散して展開し、無人の対艦ミサイルで相手艦船を攻撃するもので、「報道された共同作戦計画の具体化だ」と強調。市民にひた隠しせず、「台湾問題をめぐり政府が何をし、どれだけ犠牲が生じると想定しているのか。国民に説明すべきだ」と迫りました。首相からまともな説明はありませんでした。

 赤嶺氏は、「沖縄戦を体験した県民にとって納得できない」と批判。日本政府が主体的に、米中に緊張を高める行動をやめるよう働きかけ、話し合いの環境をつくるべきだと強調しました。


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