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2023年2月6日(月)

性教育バッシングは教育破壊

七生養護学校事件から20年

都内の集会で元原告が講演

 「憲法を守り生かし、平和と民主主義、子どもの権利を保障する教育を取り戻そう」をテーマに教育問題について考える集会が5日、東京都内で開かれました。主催は労働組合や市民団体などでつくる「2・5東京教育集会2023実行委員会」です。オンラインを含め150人が参加しました。


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(写真)都立七生養護学校で起きたことについて語る日暮さん=5日、東京都内

子どもの権利保障を

 集会では、性教育への政治介入を受けた元都立七生養護学校の教員で、「こころとからだの学習裁判」元原告の日暮かをるさんが講演。事件から20年がたち、教員が処分された経緯や、性教育へのバッシング、裁判で勝ち得た点などについて語りました。

 2003年に都議が「視察」と称して、保健室で養護教諭を高圧的に罵倒し、産経新聞記者が教材で使われていた人形を、あえて下半身を露出して撮影し、「過激性教育」などと報道。日暮さんはたたかいの中で、性教育攻撃の中心に改憲・右翼団体の「日本会議」や統一協会の関連団体「国際勝共連合」が存在し、チラシが配布されていたことなどにふれました。

 13年に最高裁が上告を棄却し、都議の行為が旧教育基本法10条の「不当支配」にあたることや、都教委による教員たちへの処分は裁量権逸脱だったことなどが認められました。

 日暮さんは、性教育を始めたのは、「困難を抱えた子どもたちの内面の声をきくことの大切さに気づいたのがきっかけ」とした上で、性教育へのバッシングについて、「教育の破壊そのものだ」と指摘。「一人ひとりが多様で、対等な関係を築くためにも、性の学び合いを続けていきたい」と話しました。

 リレートークでは、教員不足の問題や「日の丸・君が代」強制に反対する裁判の原告団の取り組みなどの報告がありました。

 参加者は「憲法と子どもの権利条約にもとづく教育を進めていこう」とするアピールを採択しました。


 都立七生養護学校事件 2003年7月、自民党と民主党(当時)の3人の東京都議と都教育委員会が、都立七生養護学校(日野市、現七生特別支援学校)の性教育に不当に介入した事件。同校は独自に工夫して行ってきた性教育ができなくなりました。介入は違法だとして、当時の教員・保護者ら31人が損害賠償を求めた「こころとからだの学習裁判」では、13年に最高裁が上告を棄却したことで、都と都議3人に賠償を命じる東京高裁判決が確定しました。


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