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2023年2月6日(月)

きょうの潮流

 喜友名泉。「ちゅんなーがー」と呼ばれる湧き水は古くから集落の共同井戸として利用されてきました。飲んだり洗ったり、儀式や産湯にも使ったり。生活に欠かせない泉として▼沖縄・米軍普天間基地のすぐそばから湧き出るこの水が数年前から飲めなくなりました。人体に悪影響をおよぼす恐れのある汚染物質が高い濃度で交じっていたからです。有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)です▼水や油をはじき熱に強い性質をもち、フライパンなどの表面加工や泡消火剤まで、さまざまな用途で長く世界中で使用されてきました。自然界では分解されにくく蓄積されやすいことから、永遠の化学物質といわれています▼米国では以前から健康被害が深刻化。規制も厳しくなり、バイデン政権は対策に多額の予算を組んでいます。国内でも沖縄の米軍基地から泡消火剤や汚染水が流れ出していることが問題になり、各地の基地や工場周辺で検出が続いていますが、いまだに国や都は本格的な対策に乗り出していません▼『消された水汚染』の著者、諸永裕司さんは汚染が隠されてきたといいます。調査はされてきたが、健康への影響があるかないかの基準となる目安もないことから公表されてこなかったと▼日米地位協定によって米軍基地には立ち入ることもできず、汚染の源をつきとめることもできない。それを傍観する日本政府。そんな現状に市民が声をあげ、共産党の議員らも住民を守れと要請に立ち上がっています。命の水を安心して飲めるために。


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