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2023年1月30日(月)

空港軍事利用 南西地域に集中

米軍・自衛隊機 安保3文書先取り

 米軍機と自衛隊機による全国の空港(自衛隊管理の空港を除く)の利用をめぐり、九州・沖縄への集中が著しくなっていることが、国土交通省の資料で判明しました。岸田政権が強行した安保3文書では、「有事」を見据えて南西地域の空港、港湾の軍事利用推進を明記。3文書の先取りが進んでいます。


グラフ
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 米軍機の九州・沖縄の空港への着陸は、2012~21年の10年間で全国の約7割の2034回、そのうち最多だった20年は269回で、全体の約9割を占めました。

 21年に着陸回数が全国最多だったのは福岡空港(福岡市)の71回。長崎空港(長崎県大村市)が61回、奄美空港(鹿児島県奄美市)が43回と続いています。これら3空港は毎年上位を占めており、長崎空港には20年に10年間の中で全国最多の年間146回着陸。単純計算で5日に2回のペースでした。長崎空港は、米軍佐世保基地(長崎県佐世保市)の人員輸送を担っているとみられます。

 福岡空港内には、米軍板付(いたづけ)基地が存在。輸送機や空中給油機などを運用する米航空機動軍団(AMC)の活動拠点と見られています。

写真

(写真)奄美空港に緊急着陸した米空軍CV22オスプレイ=2018年6月4日、鹿児島県奄美市(崎田信正党奄美市議撮影)

 奄美空港では、昨年7月にオスプレイ3機が立て続けに着陸するなど、最近は緊急着陸が目立っています。

 一方、自衛隊機は21年に全国69空港を使用。九州・沖縄の空港への着陸が占める比率は12年の64・5%から21年は74・4%と高まっています。陸海空自衛隊の航空機が常駐する那覇空港では、21年9663回に達し、全体16791回のうち57・5%を占めています。

 日米両政府は11日(日本時間12日)に開かれた安全保障協議委員会(2プラス2)で「有事」をにらんだ「空港、港湾の柔軟な使用」で一致。これを受け、在沖縄米海兵隊はただちに下地島空港(沖縄県宮古島市)の使用を県に届け出るなど、軍事利用拡大の動きが急ピッチで進んでいます。


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