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2023年1月28日(土)

コロナ5類 政府決定

検討指示からわずか1週間

公的責任後退の姿勢

 岸田政権は27日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることを正式決定しました。移行は大型連休明けの5月8日の予定です。専門家への検討指示からわずか1週間。1日当たりの死者数が依然高止まりするなか、公的責任を後退させる姿勢を改めて示しました。

 現在は2類以上の対応が可能な「新型インフルエンザ等」に分類され、感染者の全数把握や、医療機関や感染者への公的支援などの根拠となってきました。岸田文雄首相は同日の政府の対策本部で、治療費の公費支援について「期限を区切って継続する」と表明。3月上旬をめどに具体的な方針を示すとし、段階的な縮小・廃止を明確にしました。

 マスクの着用は「屋内・屋外問わず個人の判断を基本とする」としました。

 新型コロナの感染力は季節性インフルよりはるかに高く、昨年末からの第8波では感染者数の急増で医療体制が逼迫(ひっぱく)し、1日当たりの死者数が500人を超える日もでています。

 岸田氏は、同日の厚生科学審議会(厚生労働相の諮問機関)感染症部会で引き下げが了承されたことを根拠にしています。しかし、同部会では委員から懸念の声が相次ぎました。

 谷口清州・国立病院機構三重病院院長は、5類では国民の自助努力が基本になるとし「1年に3回も流行を起こし、そのたびに医療体制が逼迫する疾患を5類に当てはめていいのか」と指摘。政府が5類化で医療の担い手が増えるとしていることにも、コロナ専用病床を一般病床に戻す動きが出るなど「診ない施設が増えるリスクもある」と語りました。

 釜萢敏(かまやち・さとし)・日本医師会常任理事、山田章雄・東京大学名誉教授も、危険な変異株が出た場合の対応の難しさなどに触れ、本来は新型コロナに特化した類型をつくるべきだと主張しました。


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