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2023年1月20日(金)

廃棄・淘汰 苦渋の選択

北海道新得町 畠山氏酪農調査

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(写真)湯浅会長(左)から話を聞く畠山氏(左から3人目)=17日、北海道新得町

 乳製品の在庫調整のための生乳減産と、輸入飼肥料や石油製品などの高騰、子牛の価格暴落などで危機的な状況にある北海道の酪農家。新得町では、「生乳廃棄か、牛の淘汰(とうた)か」の苦渋の選択を迫られています。

 畑作と酪農・畜産の両輪で食料自給率1300%の十勝地方。酪農・畜産が基幹産業の新得町の2020年の農業総産出額は約100億円です。日本共産党の畠山和也元衆院議員は17日、青柳茂行党町議とともに訪れたJA新得町で、太田眞弘組合長らと懇談しました。

 今年の生乳生産目標が前年比98―97%と設定され、国は乳量が少ない「低能力牛」の淘汰に1頭当たり15万円を交付。生産者団体も5万円助成します。

 太田組合長は「低能力牛の『早期淘汰』は昨年3月から実施済み。目標達成のため、多く乳を出す牛も一定程度、淘汰するよう酪農家に要請している」と苦渋の表情で話しました。

 畠山氏が次に訪れた友夢牧場は、搾乳牛が約900頭。湯浅佳春会長は「乾乳期間(搾乳をやめる期間)を50日から100日に延ばすなどして乳量を抑えてきたが追いつかない。生乳を、ふん尿によるバイオガス発電に投入することにした」と説明。事実上の生乳廃棄について、「乳量の多い牛を廃棄できない。バイオガス発電をやっていたからできた」と言います。

 畠山氏は「酪農は関連産業のすそ野が広いゆえに、地域への影響が懸念されます。政府は緊急に乳製品の輸入を止めるべき」と述べました。


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