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2023年1月14日(土)

汚染水放出「今春~夏」

福島第1 政府確認 反対の声無視

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(写真)東京電力福島第1原発構内の処理水を保管するタンク=2021年2月19日、福島県大熊町

 東京電力福島第1原発で発生する放射能汚染水を処理した後の高濃度のトリチウム(3重水素)などを含む汚染水(アルプス処理水)をめぐり、政府は13日、関係閣僚会議を開き、放出時期を「今春から夏ごろ」とすることを確認しました。反対・慎重な意見も多いなか、「放出ありき」の政府の姿勢を改めて示すものです。地元漁業者からは「関係者の理解を得たといえるのか」と怒りの声が上がっています。

 政府は海洋放出を決定した2021年4月の基本方針で「2年程度後」をめどにしていました。今回、1キロ沖合に放出するための海底トンネルなどの設備工事の進行を踏まえ時期をより具体化した形です。

 一方、風評被害を懸念する漁業者に対して、500億円の基金を創設し、事業の継続などを支援するとしています。

 政府と東電によると、海洋放出は、アルプス処理水を海水希釈し、トリチウムを国の定める基準以下に薄めてから約1キロ沖合に放出する計画。放出開始後に海中の放射性物質のモニタリングを広範な海域で行います。

 政府と東電は漁業関係者に「関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」と約束したにもかかわらず、放出のための工事などを一方的に進めています。全国漁業協同組合連合会(全漁連)は「全国の漁業者・国民の理解を得られないアルプス処理水の海洋放出に反対」と表明しています。

 また市民団体などから、海洋放出せずタンクの継続保管などの代替策の検討を求める声があります。


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