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2023年1月12日(木)

危機の哺乳類が絶滅したら 多様性回復に2300万年

マダガスカル島

 インド洋に浮かぶマダガスカル島で絶滅が心配される哺乳類がいなくなれば、多様性が元に戻るのに2300万年かかると推定されることがわかったと、オランダ・アムステルダム大学などの国際研究グループが科学誌『ネイチャー・コミュニケーションズ』(10日付)に発表しました。

 マダガスカル島はアフリカ大陸の東側に位置する、世界で4番目に大きな島で、固有種のバオバブの木やキツネザル、カメレオンなどほかの地域では見られない動植物が多く生息しています。しかし、2000年前ごろ人間が定住して以来、その多くが絶滅したり、絶滅の危険にさらされたりするようになりました。とりわけ、最近10年間、この傾向が強まっています。

 研究グループは、マダガスカル島に現在生息あるいは過去に絶滅した哺乳類あわせて249種のデータセットを構築。これらの種の進化のスピードや、島外から移動してくる可能性を加味して、哺乳類の多様性の回復に要する時間をコンピューターでシミュレーションしました。

 その結果、すでに絶滅した30種と同じ数の哺乳類がマダガスカル島に回復するようになるには300万年かかるとみられることがわかりました。2021年時点で、マダガスカル島に生息している哺乳類のうち128種の絶滅が心配されています。これらの哺乳類が絶滅してしまえば、その数が回復するまで2300万年かかる見通しだといいます。


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