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2023年1月1日(日)

’23 政局展望

共産党と市民の共同がカギ

「戦争する国づくり」阻止 たたかい正念場

 戦争か平和か―日本も世界も歴史的岐路に立つ新しい年が幕を開けました。日本共産党と民主、平和勢力の真価が問われるたたかいの中での年明けです。

 岸田自公政権は昨年12月16日、敵基地攻撃能力の保有をはじめ、戦争への国家総動員体制を進める安保3文書(「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」)を閣議決定。敵基地攻撃能力は集団的自衛権を発動するもとでも行使できるとされており、米国とともに戦争する国づくりへ重大な一歩を踏み込みました。与党の公明党はもとより、日本維新の会や国民民主党も、敵基地攻撃能力保有に賛同し岸田内閣の動きを補完しています。そのもとで日本共産党が岸田政権に正面対決する構図が鋭さを増しています。

 1月末からの通常国会では、大軍拡予算と敵基地攻撃能力保有をめぐる大論戦となります。日本共産党と広範な市民のたたかいが、国会の内外で連帯し、世論を変え、岸田内閣を追い詰める決定的な力です。

 ロシアによるウクライナ侵略の影響から、世論調査では敵基地攻撃能力保有や軍備増強に賛同する回答が6割を占める状況もあります。他方、5年で43兆円という途方もない軍拡の財源確保にむけ、所得税増税や国債という新たな借金、歳出改革の名によるさらなる社会保障削減が狙われていることに、国民の反発が広がっています。安保3文書決定後の世論調査では、内閣支持率が最低を更新し25%へ落ち込み、不支持は69%に達しています(「毎日」12月19日付)。

 すでに昨年末から、全国各地、草の根で「勝手に決めるな」という激しい怒りと抗議の声が広がっており、増税への反発を軍拡そのものへの批判に発展させるたたかいが求められます。

行き詰まりと危機

 昨年の臨時国会では、統一協会との癒着や政治とカネをめぐる疑惑などで、3人の閣僚が更迭され、閉会後も秋葉賢也復興相が更迭される事態になりました。政権の体をなしていないとの指摘も出ています。さらに多くの疑惑を抱える閣僚、政務三役がいるなかで岸田文雄首相の任命責任は極めて重大です。自民党が真相解明に自浄能力を発揮することもありません。政治不信は深まって「このままでは何を言っても信用されなくなる」(自民党関係者)という危機感も漏れます。

 同12月の茨城県議選で自民党現職が10人落選したことなどをうけ、自民党議員の一人は「保守王国での惨敗。これは一つの象徴で党内の危機感は深い。参院選は去年終わったが、統一地方選は目の前、衆議院は常在戦場だ。地方選で大きく負ければ、(解散に)追い込まれることも十分にありうる」と語ります。また自民党関係者の一人も「今年どこかで衆院解散になる可能性は十分ある。増税について信を問うことも必要になる」と述べます。

 内閣支持率下落の根本には、異常円安による物価高騰に苦しむ国民の苦境があります。

 「岸田内閣が、安倍政権から続いてきた矛盾と破綻を抱えているのは事実だ」(自民党議員)という声が出るように、岸田政権の抱える矛盾は、10年続く大規模金融緩和政策の大破綻、国民生活と経済を痛めつけた新自由主義政策の破綻など、長年続く自民党政治そのものの矛盾と破綻でもあります。

 岸田政権は行き詰まりと危機を深めながら米国と財界にひたすら忠誠を示し、延命と保身を図る姿勢を強めており、ここに重大な危険があります。ウクライナ危機をあおり、改憲への動きを強める危険もあります。

 メディア関係者からも「この政権は政治的体力を落とす中で、ますます米国や財界の言いなり、官僚主導になっている」との声が出され、原発事故の教訓を無視した原発運転期間延長や新増設への政策転換に、国民の厳しい視線も広がっています。保守派も含む広範な市民との矛盾は激化しており、政治、政局は大きく揺れ動いています。

統一地方選勝利へ

 4月の統一地方選挙では、社会保障や教育をめぐる課題に加え、岸田大軍拡ストップが大争点になります。正面対決する日本共産党の躍進こそ大軍拡ストップの力です。

 他方、選挙戦の様相は激しさを増しており容易ではありません。

 自民・公明の与党は国民の批判の強まり、中間選挙での苦戦のもと、「地方選の結果は、衆院選にも大きく影響する」(自民党議員)として巻き返しと引き締めに躍起です。

 日本維新の会は、全国政党化へ向け地方議員を600人以上に増やす方針を決め、970人程度の候補者擁立をめざす動きです。また、昨年の参院選で176万票を獲得した参政党が9月の東北地方選を含め約500人の候補者擁立を目指すとしています。選挙準備の独自の取り組みが急がれます。

 4月には安倍晋三元首相の死去に伴う山口4区での衆院補選に加え、和歌山1区、千葉5区でも同補選が行われます。

逆流打ち破る力を

 自公政権とその補完勢力による翼賛体制を覆し、岸田政権を打倒するには、市民と野党の共闘を再構築、発展させることがどうしても必要です。

 そのカギは、敵基地攻撃能力の保有と大軍拡に反対する国民的大運動の発展にあります。同時に、共闘の中軸を担う日本共産党が地方選で勝利するとともに、独自の力で共闘破壊の逆流を打ち破り、どんな情勢のもとでも選挙勝利、とりわけ比例票での前進を勝ち取れる自力をつけることが喫緊の課題です。

 日本共産党はこうした情勢のもと、年初の5日に第7回中央委員会総会を開催します。

 党員と機関紙読者の現勢での前進を目指したこの間の取り組みを総括し、新たな政治情勢を踏まえ、目前に迫る統一地方選での勝利と、来年の第29回党大会を2020年の第28回党大会比130%の勢力で迎えるという目標の達成に向けた意思統一を行い、年初から出足早くダッシュします。


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