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2022年12月29日(木)

年末のアメ横 物価高 ひしひし

“価格転嫁できない” “兵器買う増税 勘弁”

 年の瀬の28日、東京都台東区のアメ横商店街では、カニやマグロなどを扱う海産物店からの威勢のいい掛け声が飛び交い、お節料理の材料などを買い求める客でにぎわいました。物価高の今年。節約生活を送る人や、仕入れ値が上がっても価格転嫁できない店など、影響を受ける人たちがいました。また、政府に物価高対策を求める声や増大する軍事費への批判の声、平和への願いが聞かれました。


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(写真)にぎわうアメ横商店街でカニを買う客(左)ら=28日、東京都台東区

 「タラバだよ。タラバ」「うちが一番安かったでしょ」。タラバガニが4段にも5段にも陳列された店の前には人垣ができていました。別の店ではウニを敷き詰めた箱をいくつも手にする客の姿も。孫にお土産を持たせようとノリやお茶を両手いっぱいに買い込む人もいました。

 東京都足立区から来た男性(75)は、正月用の刺し身を買いに来ました。「毎年ここらへんで買っている。これは、家族4人で食べるマグロ。正月くらいはぜいたくしないとね」とほほ笑みます。

 一方、海産物店の従業員(48)は、「仕入れは全体で20%くらい上がった。価格転嫁していないから利益が落ちかねない。これから年末にかけて人がごった返す時に、どれだけ売るかにかかっている」。別の店では「輸入物の数の子は千円以上高くて過去最高値だ」との声が。原因を聞くと「円安と不漁のダブルパンチだね」と返ってきました。

 靴やかばんを売る店の店員は「昨年よりも客足が多いとは周りの店から聞いている」と言いつつ、売り上げが伸びているという実感は「ない」といいます。

 「政府は米国の兵器を買って税金を上げるというけれど、本当に勘弁してほしい」

家計苦しい 首相信用できない

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(写真)年の瀬のアメ横商店街。海産物屋の前には人垣が=28日、東京都台東区

 毎年アメ横で買い物をする葛飾区に住む母(74)と娘(35)は、ハムやノリ、スルメイカ、かまぼこが入った袋を手にしていました。娘は「今年6月に息子が生まれました。いい年になりました」とはにかみます。

 暮らしの様子を聞くと、「食費やおむつ・ミルク代、光熱費が上がり家計を圧迫しつつある」。母の年金は1カ月2万5千円で、この間下がり続けています。政府への要望を尋ねると、母は「年金を上げて」。娘は「国民全員への給付金を」と答えました。

 2人とも、軍事費が上がれば暮らしが押しつぶされるとの不安を抱きます。母は「子どものためにも平和な日本でありたい。軍事に頼るより外交で平和を築いてほしい」と話しました。

 千葉県松戸市の70代の女性は、家計の足しにするため、早朝の清掃の仕事をしているといいます。

 「社会はどんどん悪くなっていると思う。岸田文雄首相は口がうまいでしょ。でも生活はよくならないし、信用できない。軍事費より、福祉や教育に税金を使ってほしい」と語りました。

 リュックにカニを詰め込んでいた横浜市の男性(60)は、ロシアによるウクライナ侵略でエネルギー価格が高騰していると指摘し「ロシアは戦争をやめるべきだ。来年は落ち着いた年になってほしい」と話しました。


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