しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年12月27日(火)

キリスト教会「侵略停止を」

クリスマス 平和求めメッセージ

 キリスト教のクリスマスとなる25日、ウクライナへの侵略停止と平和を求めるメッセージがカトリック、プロテスタントの教会から発せられました。

ローマ教皇「戦争は無意味」

 ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は25日、バチカンのサンピエトロ大聖堂でクリスマスメッセージを発表し、ロシアによるウクライナ侵攻は「無意味な戦争だ」と述べ、侵攻の即時停止を強く求めました。

 ロシアによる攻撃でウクライナ全土ではサイレンが鳴り響いた同日、教皇は、「10カ月に及ぶ戦争による荒廃で故郷を遠く離れることを余儀なくされ、暗く寒いなかでクリスマスを迎えているウクライナの兄弟姉妹に思いをはせよう」と呼びかけ、「主が兵器による雷鳴を静める力を持った者たちの心を教え導き、この無意味な戦争を直ちに終わらせるよう願う」と訴えました。

 ウクライナでの軍事紛争で穀物輸出に支障が出ていることにも言及しました。アフガニスタンやアフリカ諸国では、食料不足がいっそう悪化し、「全人口が飢饉(ききん)の危険にさらされている」と懸念を示しました。

 教皇として10回目となるクリスマスメッセージでフランシスコ氏は、クリスマスの「華やぎ」を超えて、ホームレスや移民、難民など困難な状況に置かれる人々に心を寄せるよう呼びかけました。ウクライナにとどまらず、シリアやパレスチナ問題など各地の紛争にも言及。世界は紛争の中で平和が欠乏する深刻な飢饉を今、体験していると語りました。

ドイツ各地 市民と連帯

 ドイツ各地で教会の聖職者たちは、戦争の厳しい現実に触れ、ロシアの戦争行為を非難しつつも、国内外の市民と連帯し、平和を求めるクリスマスメッセージを相次いで語りました。

 ドイツ福音教会(EKD)評議会のアネッテ・クーアシュス議長は25日、ウクライナ戦争で、「多くの人たちは、悲惨な目にあっている」とウクライナの人びとを思い、連帯を示しました。

 キリスト教紙「ゾンターグブラット」25日付電子版は、バイエルン福音ルター派教会のハインリッヒ・ベッドフォード・シュトローム主教のメッセージを掲載。同氏は、ロシアのウクライナ攻撃を非難しながら「ウクライナ支援と同時に、ありとあらゆる手段で、意思疎通の場の提供が必要だ。それこそが暴力を乗り越える道だ」と訴えました。

 EKD評議会のキルステン・フェールス副議長は同日、ロシアのウクライナ侵略など「困難や暴力、戦争が、世界には存在する」と語り、平和には時間がかかるとしながらも「愛こそが、憎しみから力を取り除き、平和に多くの風を送ることになる」と訴えました。


pageup