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2022年12月20日(火)

介護負担増 結論先送り

社保審部会 運動成果も 残る危険

 厚生労働省は19日、2024年度の介護保険制度改定に向け議論している社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会で、利用料2割負担の対象拡大や老健施設などの多床室(相部屋)の有料化などについて結論を来年に先送りする方針を示しました。短期間に20万人分超の反対署名が集まるなど、世論と運動に追い詰められた結果ですが、議論は来年も続けるとして依然実施を狙っています。

 これらは来年の通常国会に提出見込みの介護保険法改定には盛り込まれず、国会審議を経ずに政府の裁量で大幅な負担増が強行される危険があります。

 同部会は、制度見直しに向けた「意見」案を大筋で了承しました。厚労省は部会に7項目の負担増・給付削減を提案。このうち利用料2割負担の拡大と65歳以上で一定所得がある人の保険料引き上げについて、「遅くとも来年夏までに結論を得るべく」同部会で議論を続けるとしました。同省担当者は、利用料3割負担の対象拡大については継続議論の対象としない考えを示したものの、「意見」案では「引き続き検討」とし、27年度以降に可能性を残しています。

 多床室の部屋代は、社保審の別の分科会に舞台を移して議論を継続します。

 要介護1、2の訪問介護などの給付外しとケアプラン有料化は24年度実施を見送りました。他方で、27年度改定までに「結論を出すことが適当」とし、改悪を諦めない姿勢を示しています。

 7項目をめぐっては、委員から利用控えや高齢者の重度化、家族の介護負担増を招くなどと批判が噴出。各団体も署名や声明、集会などを通じ反対の声を上げてきました。結論の先送りは、国会審議や来春の統一地方選での争点化を避けようとするもので、改悪阻止へいっそう声を上げることが求められます。


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