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2022年12月16日(金)

75歳以上保険料、年4100円増

24年度から 中間所得層に連続打撃

 厚生労働省は15日、75歳以上の人の医療保険料を2024年度から引き上げる制度改定について、高額所得者だけでなく中間所得層まで対象にし、加入者1人当たり年平均4100円増とする最終案を示しました。同日の社会保障審議会の部会が大筋了承し、厚労省は来年の通常国会に改定法案を出す方針。世論の批判に押されて増額幅を一定抑えますが、物価高や10月からの医療費窓口負担増との連続パンチです。

 対象は、年収が年153万円超の75歳以上の約4割。当初は1人当たり年平均5300円増としていました。「能力に応じた負担」などを理由にしていますが、余裕があるとは言えない中間層まで標的にしています。

 収入に応じた保険料の「所得割」を引き上げます。年収153万超~211万円の240万人(全体の12%)は緩和措置として24年度は見送り、25年度から実施します。自治体の委員らは「負担が増えるのは変わらない」と懸念し、「受診控えにつながらないように」との意見も出ました。

 年収約1千万円超の高所得者(全体の1%)にも緩和措置を設け、保険料上限を年66万円から80万円に2年かけて引き上げます。出産した人への「出産育児一時金」の財源を75歳以上にも負担させるとして、保険料アップを正当化していましたが、この負担も2年かけて増やすことにしました。

 制度改定によって保険料は24、25年度の合計で1人当たり平均5200円増、年収200万円の人は3900円増です。制度改定とは別に高齢化に伴う保険料アップも狙っており、24年度に1人当たり平均4300円が上乗せされます。「高齢社会をよくする女性の会」の委員は「共助を強調しているが公助をしっかり行うべきだ」と求めました。

厚労省が狙う75歳以上医療保険料の主な引き上げ内容
  増加額 合計額
1人当たり平均年額 24年度 +4100円 8万6100円
25年度 +1100円 8万7200円
年収200万円 25年度から +3900円 9万700円
年収400万円 24年度から +1万4000円 23万1300円
※合計額は制度改定と別の高齢化・医療費増に伴う保険料増も含む

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