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2022年12月7日(水)

ILO初調査 労働現場ハラスメント被害2割 121カ国・地域

公表55%未満

 国際労働機関(ILO)は5日、労働の世界での暴力やハラスメント被害に関する初の調査に基づく報告書を公表しました。5人に1人(22・8%)が「身体的」「精神的」「性的」のいずれかの被害を経験したと指摘しました。

 報告書は、労働の世界での暴力やハラスメントは「世界中で横行している現象だ」と述べ、「すべての人に尊厳と敬意」ある職場づくりに向けて、ILO総会で2019年に採択された「労働の世界における暴力とハラスメント禁止条約」(190号条約、日本は未批准)と同勧告が「重要な役割を果たす」と強調しています。

 調査結果によると、性暴力や性的ハラスメントを受けた人は6・3%で、女性は8・2%、男性は5%でした。性的被害は、他の項目と比べて男女差が大きく、女性は「特に大きな危険にさらされている」と指摘しました。「精神的」な被害は17・9%、「身体的」な被害は8・5%でした。被害者の6割以上が複数回の被害を受けていました。

 一方で5年以内に被害を受けた人のなかで、被害を明らかにしたのは55%未満。被害者が「訴えても無駄」「自分の評判にはね返ってくる」と考え被害の公表に踏み切れないでいると述べました。

 調査は2021年に実施され、121カ国・地域に住む7万4364人から回答を得ました。


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