しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年12月2日(金)

有期雇用の研究者雇い止め 文科省「望ましくない」

大学に通達 一部で改善も

 大学・研究機関の有期雇用の研究者や非常勤講師が、来年3月末で大量に雇い止めされるおそれがある問題で、文部科学省が各大学、研究機関に対し、無期転換逃れの雇い止め・解雇は望ましくないとして円滑な無期転換を依頼する通達を送っていたことが、1日までに分かりました。一部の大学では、雇い止めを撤回し無期転換を認めるなど対応を改めはじめています。

 文科省が発出したのは、「貴法人における無期転換ルールの円滑な運用について(依頼)」と題する11月7日付通達。

 労働契約法では、有期雇用労働者は5年雇用継続で無期雇用への転換権が発生します。研究職については、科学技術・イノベーション法、大学教員等の任期法の特例によって、無期転換権発生が10年に先延ばしされ、来年3月末、最大4500人もの大量雇い止めの危険があります。

 通達は、「無期転換ルールの適用を意図的に避けることを目的として、無期転換申込権が発生する前に雇止めや契約期間中の解雇等を行うことは、労働契約法の趣旨に照らして望ましいものではない」と指摘。「好事例」として、10年ではなく5年で無期転換を可能にしている職場などを紹介しています。

 首都圏のある私立大学では11月中旬、大学側から非常勤講師に「文科省から通達があり、雇い止めは撤回する」と通知されました。

 全労連などは10月28日に研究者雇い止めストップを求める集会を開催。理化学研究所の研究者らは雇い止め撤回裁判に立ち上がっています。日本共産党の田村智子副委員長、宮本徹衆院議員らが雇い止め阻止に向けて国会で追及しています。


pageup