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2022年11月27日(日)

きょうの潮流

 「学童保育は単なる居場所ではなく、大切な生活の場なんです」―。オンラインで開催された第57回全国学童保育研究集会での、切実な訴えです▼来年4月「こども家庭庁」が創設され、学童保育は「成育部門」の「居場所」という位置づけになります。「スペースを確保すればいい」ではなく、子どもの権利を守り、豊かな放課後を実現したい。そのための取り組みがますます大切になります▼新型コロナで一斉休校になった時も、学童保育は「原則開所」を求められました。手探りで感染拡大防止に力を注ぎながら、のびのびと過ごせる場を提供してきました。しかし、施設や設備など、「毎日の生活の場」としては不十分なところが多くあるのが実態です▼全国学童保育連絡協議会は先日、今年5月1日現在の実施状況調査結果を発表しました。民間企業が運営するものが大幅に増えました。利潤を追求すれば人件費を抑えるしかありません。今でさえ仕事量に見合わない処遇を改善したり、専門性を高めたりすることにはつながらない、と指摘します▼「『子どもの気持ちに気づく』。これが難問なんです」。分科会でこう語ったのは、東京都立大学准教授の杉田真衣さん。「何かあるだろうな」と想像し、それまでの子どもの人生に敬意をもつ。それが「何かあったらこの人に言おうかな」ということになるだろうと▼こんな安心の空間を、おとなの責任でつくりたい。「ただいま!」と学童保育に帰ってくる、子どもの顔を思い浮かべながら。


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