しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年11月23日(水)

2022年度第2次補正予算案

紙議員の質問(要旨)

参院本会議

 日本共産党の紙智子議員が22日の参院本会議で行った、2022年度第2次補正予算案に対する質問(要旨)は以下の通りです。


 岸田政権は物価高騰と異常円安をもたらしているアベノミクス・「異次元の金融緩和」をやめるにやめられない対応不能状態に陥っています。現状打開のためには、賃上げを軸に実体経済を立て直すこと、とりわけ内需を活発にすることが必要です。「総合経済対策」には「構造的な賃上げ」とありますが、実質賃金を10年間で24万円も減らしたアベノミクス・新自由主義を継承したのでは、まともな賃上げはできません。新自由主義のもと、労働法制が次々規制緩和され、日本の非正規雇用比率は1割台から4割近くにまで増大しました。「構造的な賃上げ」のためには、こうした「構造的な賃下げ」要因を取り除くことが大前提です。

 全労連などが取り組んでいる「最低生計費試算調査」では、現在の地域別最低賃金が最高額の東京都と最低額の佐賀県などで生活費に大差がないことが示されました。地域別の最低賃金はもはや実態に合いません。政府の「賃上げ減税」は、黒字企業だけが対象で、多くが赤字の中小企業の賃上げに結びつきません。日本共産党が提案している、大企業の内部留保を活用した最低賃金「全国一律1500円」の実現に踏み出すべきです。

 補正予算案は、電気・ガス料金の抑制など、部分的・一時的な対策に終始しています。すべての物価を引き下げることになる消費税の減税こそ物価高騰に対する特効薬です。

 インボイス制度の導入により、アニメ業界、声優業界では4人に1人が廃業を検討しています。インボイスの導入は中止すべきです。

 コロナ対策の「ゼロゼロ融資」の残高は、今年3月末時点で約42兆円にのぼり、中小企業の約3割が過剰債務感を訴えています。このままでは新たな融資が受けられず、経営に行き詰まる資金繰り倒産・廃業が激増する恐れがあります。日本共産党は、「ゼロゼロ融資」(実質無利子・無担保融資)をいったん債務から切り離し、「別枠債務」とすることを新たに提案します。「別枠債務」は一定期間、返済を猶予し、その間、金融機関は「別枠債務」を既存の融資残高から除外し、新規融資が行えるようにします。「別枠債務」の返済が可能となった時点でも、その後の事業に支障がない返済計画に金融機関が協力できるよう国が支援します。

 補正予算案には「経済対策」に紛れて4464億円の軍事費が計上されており、米軍再編経費が大半を占めています。「物価高対策」を掲げた補正予算案に軍事費を計上し、しかも大半が米軍奉仕という二重三重に不当なやり方は厳しい批判を免れません。


pageup