2022年11月22日(火)
介護保険見直し
利用料2倍なら退所 13%
利用中止・減らす 34%
民医連調査
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全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)は21日、介護保険見直しに関して全日本民医連が行った緊急影響調査の結果速報を公表しました。
調査は、厚生労働省が介護保険制度を見直し、利用料の2割負担の対象者を拡大しようとしていることに対し、施設入所者と在宅サービス利用者を対象に、9月中旬から10月にかけて実施しました。
施設入所者では、514人が回答。利用料が2割負担(現行の2倍化)になった場合、本人が負担して「今までどおり入所を続ける」が37・9%だったのに対し、家族の援助が可能で「今までどおり入所を続ける」が31・5%、「施設を退所、もしくは退所を検討する」が13・0%でした。
本人の負担で入所を続けると回答した人の中でも、自由記載では「いきなり2割(2倍)になるのは負担が大きい」「2割負担でとどまらずに更に負担増にならないかも心配です」など懸念の声も上がっています。
在宅サービスの利用者では、1097人が回答。利用料が2割負担になった場合、本人の負担で「今までどおり利用を続ける」が57・1%でしたが、「サービスの利用回数や時間を減らす」「サービスの利用を中止する」などの回答も34・4%を占めました(複数回答)。
この日、全日本民医連は厚生労働省で会見し、林泰則事務局次長が、利用料の支払いが困難でも、利用を減らせない、退所できない等の事情を抱えた利用者が存在するとしたうえで、「本人、家族に生じる深刻な影響が可視化してこないおそれがある」と指摘。「利用料引き上げ案の検討中止・撤回を求める」と強調しました。