しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年11月12日(土)

感染症法等改定案 倉林議員の質問(要旨)

参院本会議

 日本共産党の倉林明子議員が11日の参院本会議で行った、感染症法等改定案に対する質問(要旨)は次の通りです。


 新型コロナの「第7波」は、感染者数1200万人超、死者数1万4千人あまりと過去最悪の事態となりました。本法案の提案にあたって、救えるはずの命が救えなかったという反省こそ出発点とすべきではありませんか。

 本法案は、都道府県と医療機関が病床確保等について事前に「協定」を結び、医療機関が正当な理由なく協定に沿った対応ができていない場合は、勧告・指示、病院名の公表などの措置が講じられることになります。

 とりわけ大学病院などの特定機能病院や地域医療支援病院には、診療報酬の加算が受けられなくなる承認取り消しという重い罰則が課されます。

 感染拡大が抑えられなければ病床確保が達成できなくなることは、第7波ですでに明らかです。正当な理由なく確保病床が稼働できなかったという立法事実があったのでしょうか。

 コロナ禍にありながら病床削減を促進する補助金が継続され、民間病院の病床も含めて2020年と21年で5616床が削減されました。コロナ病床を確保するためにも、一般病床が必要なことは明らかです。消費税を財源とした病床削減のための補助金はきっぱり中止すべきです。

 地域医療機構は、地域医療機構病院に対し、コロナ禍の20年9月に人員削減計画を進める通知を発出しています。第8波を前に医療提供体制の充実が求められる今、職員削減など到底容認できません。通知は廃止すべきです。

 保健所のひっ迫は非人道的な様相を呈しています。コロナ禍が始まってから過労死ラインを超える残業時間外が恒常化しています。

 2010年の新型インフルエンザ対応を踏まえて策定された「新型インフルエンザ対策総括会議報告書」では、地方自治体の保健所や地方衛生研究所を含めた感染症対策に関わる危機管理を専門に担う組織や人員体制の大幅な強化が必要と指摘されていました。しかし、拡充されませんでした。

 12年前の反省に立ち戻り、せめて保健所体制を削減前に戻す決断をすべきです。

 地方衛生研究所の職員配置基準や、施設基準などの法定化が求められているにもかかわらず、本法案には盛り込まれませんでした。法定化を強く求めます。

 そもそも感染症法には「良質かつ適切な医療の保障」が明記されています。医療・社会保障費の抑制政策の根本的な転換なしに日本における新興感染症対策の成功はありえません。


pageup