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2022年11月5日(土)

太平洋側の海水中 北極海微小プラ 33億個か

海洋生物への影響懸念

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(写真)今回の研究から推定されるチュクチ海のマイクロプラスチックの分布(海洋研究開発機構の発表資料から)

 太平洋側北極海の海水中に存在するマイクロプラスチックの総量は33億個と推定されることがわかったと、海洋研究開発機構が2日発表しました。太平洋から北極海に毎年流入するマイクロプラスチックの数はそれより多いと推定されており、大部分が海水以外の場所に蓄積している可能性があるとしています。

 海洋研究開発機構の研究チームは、2020年と21年の夏から秋にかけて研究船「みらい」で、太平洋側北極海のチュクチ海と呼ばれる海域などの20の観測点で調査を行い、同海域の表面の海水に含まれるマイクロプラスチックの数を推定しました。

 その結果、同海域では1平方キロメートルに平均して5236個、全体で33億個のマイクロプラスチックが存在すると見積もられることがわかりました。

 チュクチ海にはベーリング海峡を通じて、太平洋側からマイクロプラスチックを含む海水が流入しており、その総量は毎年180億個と推定されています。

 今回、チュクチ海で得られた推定値は、流入量に比べ、はるかに少なく、大部分が海氷や海底堆積物に蓄積されている可能性が示唆されました。

 マイクロプラスチックは大きさが5ミリメートル以下のプラスチックで、もともと添加されたり、海水中を漂っているときに吸着したりした有害化学物質を含んでいます。このため、マイクロプラスチックを摂取した海洋生物に影響を及ぼすことが懸念されています。


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