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2022年11月1日(火)

主張

公布76年の憲法

「戦争する国」への企て阻もう

 日本国憲法は1946年11月3日に公布されました。憲法は、おびただしい犠牲を出したアジア・太平洋戦争への痛苦の反省に立ち、戦争の過ちを繰り返さないと誓いました。ロシアによるウクライナ侵略は、ひとたび戦火を交えれば、いかに悲劇的な事態を招くかを改めて浮き彫りにしています。政治の最大の責任は戦争を絶対に起こさないことです。ところが岸田文雄政権はウクライナ危機などに便乗し、大軍拡と9条改憲の動きを強めています。76年前の憲法公布の原点を忘れ、「戦争する国」づくりを推し進める岸田政権の企てを許してはなりません。

統一協会との癒着究明を

 衆院憲法審査会が27日開かれ、今国会で初めての実質的な討議が行われました。自民党の新藤義孝議員は、緊急事態条項創設や9条への自衛隊明記について「しっかり議論を深めていきたい」と述べ、日本維新の会の馬場伸幸議員は、ゴールを決めて遅くとも来年の通常国会に各党が改憲項目を示すことを求めました。岸田首相は3日の所信表明演説で、国会の改憲発議に向け「これまで以上に積極的な議論」を期待すると表明しており、改憲勢力は憲法審査会での議論の加速をたくらんでいます。

 しかし、国民多数は改憲を国政の優先課題とは考えていません。切実に求めているのは、暮らしを直撃している物価高騰への対策であり、深刻な接点が次々と明らかになる自民党と統一協会の癒着の徹底的な解明です。

 日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は憲法審査会で、問われなければならないのは統一協会と自民党との関係だと力説しました。統一協会の政治部門である国際勝共連合が2017年に提起した自衛隊の9条明記や緊急事態条項の創設などは、自民党の改憲案に酷似しています。統一協会側が国政選挙の際に少なくない自民党候補者に署名を求めたとされる「推薦確認書」の第1項目に明記されているのは、憲法改正です。

 赤嶺氏は、自民党が「韓国に拠点を置く反国民的な謀略団体と一緒に改憲議論を進めることは許されない」と強調しました。17年に自衛隊を9条に明記する改憲案を打ち出した安倍晋三元首相は、自民党の中でも最も統一協会と深い関係がありました。同協会と多くの接点が問題になっている細田博之衆院議長は自民党改憲推進本部長などを務めました。統一協会からの献金などが判明している下村博文元文部科学相も党改憲推進本部長でした。自民党と統一協会が関係をどう築き、改憲などの政策にどのように影響を及ぼしたのか―改憲議論の前提にかかわる大問題を曖昧にはできません。

平和の実現に外交力こそ

 岸田政権の大軍拡と軍備増強にストップをかけることも焦眉の課題です。相手国に攻撃を仕掛けることができる「反撃能力」(敵基地攻撃能力)を保有することや、5年以内に国内総生産(GDP)の2%以上を目指す大軍拡などは、9条とは絶対に相いれません。

 憲法前文は「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意」しました。9条に基づく外交こそが平和な東アジアをつくる力です。国会周辺で行われる「11・3憲法大行動」を成功させ、平和への思いを示しましょう。


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