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2022年10月30日(日)

きょうの潮流

 「このお菓子食べない?」と声をかけられたけど食べられず“冷たいやつ”と思われた。はやりのスイーツをプレゼントしたいけれど、味がわからないのであきらめた…。食物アレルギーがある10代、20代の声です▼アトピー・アレルギー性疾患がある患者や家族を支援する、認定NPO法人アトピッ子地球の子ネットワークが「ティーンズミーティング」報告集を作りました。困ったことやつらかったことを書き出し、語り合い、解決法を考えたその場の声を収めました▼細心の注意を払っても誤食は起きることがあり、「発症するたびに落ち込む」を繰り返して自己否定が積み重なるといいます。自分だけの食事を親に作ってもらったり、友達に気を使われたりすることへの、申し訳なさもぬぐいきれません▼アレルギー対応の給食提供や原材料表示など、この間の動きはまだ一歩にすぎないこともわかりました。知識の不十分さからくる心無い言動に傷つき、高校や大学に入りたくても「対応が難しい」などと拒まれることがありました▼事務局長の赤城智美さんは「おとなの責任」を強調します。「教育の機会均等」や「尊厳」という言葉を知らなかったティーンズ。「おとなによって『仕方ない』と諦めさせるなんて、まずいと思うんです」。同時に願うのは、自らの人生を切り開くための科学的な知識の提供です▼目標は、誰もがともに生きることができる社会をつくること。そのために、まずは私たちが知ることから始めたいと思うのです。


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