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2022年10月13日(木)

軍事費 5年総額43兆円

現行1.6倍 政府・自民狙う

NATO基準でGDP比2%に

 政府・自民党内で軍事費を2023~27年度の5年間の総額で、現行の約1・6倍となる43・1兆円とする案が浮上しています。岸田文雄首相は台湾有事への参戦を要求している米国に、軍事費の「相当な増額」を誓約。違憲の「敵基地攻撃能力」導入を軸とした大軍拡で、平和と暮らしを圧迫するもくろみに、国民的な反撃が求められます。


 軍事費は第2次安倍政権発足の13年度以降、10年連続で前年度比を上回り、8年連続で過去最大を更新しています。22年度当初予算は約5・4兆円で国内総生産(GDP)比約1・09%ですが、政府・自民党内では、GDP比2%の国防支出を目標に掲げた北大西洋条約機構(NATO)基準を採用する声が強まっています。

 NATO基準で算定した場合、防衛省以外で計上されている海上保安庁や内閣衛星情報センターの予算、旧日本軍の恩給費、遺棄化学兵器処理関連事業、国連平和維持活動(PKO)分担金なども含まれ、23年度には約6・5兆円に引きあがります。その後、全体で毎年度1兆円程度上乗せされ、27年度には約10・8兆円まで膨れ上がります。現在の予算規模で計算すれば、この時点でおおむねGDP比2%になります。

 5年間の総額では、現在の中期防衛力整備計画(中期防)で定めている19~23年度の27兆4700億円から、次期中期防(23~27年度)で43・1兆円と約1・6倍になります。

 一方、自民党や防衛省内からは、軍事費本体の「純増」を求める声も出ています。その場合、軍事支出はさらに膨れ上がり、社会保障費などへの深刻な影響は避けられません。

 防衛省は23年度概算要求で、過去最大の約5・6兆円を要求。軍事力強化の7本柱を示し、その第1に敵基地攻撃能力につながる「スタンド・オフ防衛能力」をあげています。

グラフ:軍事費の推移


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