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2022年10月2日(日)

第53期将棋新人王戦 あすから決勝三番勝負

力戦派の真っ向対決

 将棋の黒田尭之五段(26)と服部慎一郎五段(23)の関西勢同士の対決となった第53期新人王戦(しんぶん赤旗主催)の決勝三番勝負は3日(月)に大阪市の関西将棋会館で開幕します。関西対決は4年ぶり。ともに定跡にとらわれない力戦派です。新人王戦ではなぜか十分実力を発揮できないできた両者です。そんな2人が決勝の舞台で対決、真っ向からの勝負となることが予想されます。

自分の力出し切りたい

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(写真)黒田尭之五段

 黒田五段は奨励会時代から7期連続出場で初の決勝進出です。前期までの6期中に勝利をあげたのは2回だけで、なかなか結果を出せませんでした。

 「新人王戦は同世代のライバルが多く、負けられない棋戦でしたが、結果が出せないできました。今期はここまで、流れはよいので、悔いの残らぬよう、自分の力を出し切りたい」と話します。

 今期は、2回戦からの出場で、井田明宏四段、西山朋佳白玲・女王、準決勝で強敵、第45期新人王の阿部光瑠七段を破り、三番勝負に臨みます。

 「同学年で子どものころからのライバル、井田四段に初戦で勝てて波に乗れた」と振り返ります。

 プロ棋士への道は険しく、最終関門となる三段リーグ戦は6年12期を要して、22歳でプロ入りを果たしました。プロ入り後は、順位戦のC級2組を2期で突破し、昨年五段に昇段するなど実力を発揮してきました。

 「服部五段はいまもっとも勢いのある棋士。関西には服部だけじゃないというところを見せたい」と決勝三番勝負への意気込みを語りました。

 くろだ・たかゆき 1996年9月26日生まれ。愛媛県出身。畠山鎮八段門下。2019年4月、四段昇段・プロ入り、21年2月、五段昇段。

面白い将棋指し熱戦に

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(写真)服部慎一郎五段

 服部五段は、三段時代も含め4回出場していますが、3期連続初戦敗退。今期初めて1回戦を突破して、決勝三番勝負まで一気に勝ち上がりました。

 「新人王戦は勝てる印象のない棋戦でしたが、今期は初戦を勝てて、その後1局1局大事にして、のびのび指すことができました」と振り返ります。

 特に印象に残っているのが、準々決勝の佐々木大地七段戦。細い攻めがつながるかどうかの将棋で、それを勝ち切ることができました。

 昨年は、四段と三段による若手棋戦、加古川青流戦で、2期連続決勝三番勝負に進出し、棋戦初優勝をおさめています。「その時の三番勝負の経験を生かして、新人王戦でもがんばりたい」

 今期は15連勝(2位)するなど絶好調です。全棋士ランキングを見ても、対局数36で1位、勝数28で1位、勝率7割7分7厘(28勝8敗)で4位と上位に名を連ねています。

 「スリリングで面白い将棋を指して、熱戦にしたいですね。普段どおりに指すよう心がけます」と決勝への抱負を語りました。

 はっとり・しんいちろう 1999年8月2日生まれ。富山県出身。中田章道七段門下。2020年4月、四段昇段・プロ入り。今年9月30日付で五段昇段。

スリリングな勝負を期待

観戦記者が語る見どころ

 本紙観戦記者、池田将之さんに決勝三番勝負の見どころを寄稿してもらいました。

 黒田五段は昨年、順位戦でC級1組に昇級しました。棋戦初優勝を狙います。

 服部五段は昨年の加古川青流戦で初優勝。今年は叡王戦の挑戦者決定戦で惜しくも敗れましたが、その後は15連勝を記録するなど、各成績ランキングの上位を走ります。

 対戦成績は黒田五段から見て1勝2敗(1千日手)。両者の棋風に共通しているのは、たたかいや、中終盤の競り合いなど、接近戦での力強さです。ともに決勝までの道のりでは、負けてもおかしくない場面もありましたが、際どい一手争いを制してきました。

 目が離せない、スリリングな決勝三番勝負になるでしょう。

決勝の日程

 第1局 10月3日(月) 大阪・関西将棋会館

 第2局 10月24日(月) 大阪・関西将棋会館

 第3局 11月1日(火) 大阪・関西将棋会館

 (いずれも午前10時対局開始)

トーナメント表


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