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2022年9月11日(日)

アイヌ強制移住の資料 「特定歴史公文書」で保存へ

北海道 新冠牧場長が紙氏に説明

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(写真)懇談する(左から)畠山、紙氏=7日、北海道新ひだか町

 明治政府下でのアイヌ民族の強制移住に関する資料を含む北海道旧新冠(にいかっぷ)御料牧場の歴史文書が公文書管理法に基づく「特定歴史公文書」として適切に保存される見通しとなりました。7日、独立行政法人・家畜改良センター新冠牧場(新ひだか町)を訪れた日本共産党の紙智子参院議員と畠山和也元衆院議員に、根城博一牧場長が明らかにしました。

 北海道開拓使は1872年、新冠町を中心とした地域に約7万ヘクタールの広大な牧場を設置。84年、宮内省管轄となり、88年に新冠御料牧場と改称。軍馬の改良、増殖を担いました。

 滑若(なめわか)村のアイヌは72年、牧場造成に伴い、姉去(あねさる)村と万揃(まんそろえ)村に強制移住させられ、さらに1916年、姉去村から数十キロ離れた未開墾の上貫気別(かみぬきべつ、現平取=びらとり=町)に2度目の強制移住を強いられました(東北学院大学・榎森進名誉教授『アイヌ民族の歴史』)。

 紙氏が提示していた調査項目を受け、根城氏は「御料牧場時代の資料を保管している」と回答。旧字体のため判読できないものの、歴史的価値がある文書が含まれ、「国立公文書館に移管したい。(独法の)本所とも確認した」と述べました。

 「国立公文書館への移管」とは、公文書管理法上の「特定歴史公文書」を指し、原則永久保存されます。

 畠山氏は「専門家の知見に基づくリスト化」を要望。紙氏は「先住民族・アイヌの強制移住や御料牧場の解放運動の歴史文書が適正保管される道が付いた」と評価し、「移管にあたり歴史研究者の協力を得ることや、アイヌ当事者の声を聞くように」と求めました。川合清新ひだか町議が同行しました。


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