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2022年9月8日(木)

宜野湾 市長選・市議選

PFAS汚染 大争点

ナカニシ市長候補、宮城市議候補解決訴え

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(写真)ナカニシ春雅市長候補

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(写真)宮城マサル市議候補

 米軍普天間基地を抱える沖縄県宜野湾市長選と同日の11日投票でたたかわれる同市議選は、県知事選も投票が重なる「トリプル選挙」です。同基地由来とみられる有害な有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)によって基地周辺の土壌が汚染されていると、新たに市民団体の調査で明らかになりました。地元紙「琉球新報」の世論調査(6日付)では、市長選の争点として普天間基地やPFAS汚染水問題などの「基地問題」と回答した人が44・2%で最も多く、大きな争点になっています。

 市長選は、玉城デニー県知事を支える「オール沖縄」のナカニシ春雅候補と、自公推薦の松川正則現市長との一騎打ち。定数26を31人で争う市議選は、日本共産党の宮城マサル候補=新=が必勝をめざしています。

 基地から流出したPFASが水や周辺の土壌を汚染しているとして、ナカニシ候補は基地内への立ち入りも含め、「市独自に調査を行う」と表明。市民団体「宜野湾ちゅら水会」会長の宮城候補も、住民のPFAS血中濃度を調べる検査が必要と市に求めてきました。しかし、現市政はこれに背を向け続けてきました。

 同基地に隣接した市立普天間第二小学校の敷地は、PFASによる汚染の恐れが指摘されています。保護者らが土壌調査を求めても、市教育委員会は「(健康被害は)杞憂(きゆう)だと思う」としてきました。

 そのため、ちゅら水会はPFAS濃度の分析にかかる費用について寄付を募り、同校の土壌調査を実施。分析の結果、三つの地点で採取した土壌サンプルのうち、検出された最も高いPFOS(ピーフォス=PFASの代表的な化学物質)濃度は、米国環境保護庁が地下水を汚染する可能性があるとする値の29倍でした。

 湧水に恵まれた市北西部の大山地域で、農業に従事する宮城候補。農薬などを使わず、特産品の田芋(ターンム)やレンコンを栽培してきました。ところが、営農に欠かせない湧水からもPFOSが高濃度で検出されました。

 「人間の生きる源である水を汚染される。このような人権無視の状況をただし、米軍からの汚染を必ず止めるため農家から政治に訴えていく」。PFAS被害の当事者として、宮城候補は被害を解決する市政へと転換を訴え、猛奮闘しています。


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