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2022年9月7日(水)

国葬費 総額16.6億円

憲法違反・法的根拠なく血税

積算根拠示さず

 松野博一官房長官は6日の記者会見で、安倍晋三元首相の「国葬」(9月27日)に要する経費の概算を公表しました。警備に8億円程度、外国要人の接遇に6億円程度、自衛隊儀仗(ぎじょう)隊の車両借り上げに1000万円程度を見込むとしましたが、積算根拠は示しませんでした。既に閣議決定した会場借り上げ・設営費約2億5000万円と合わせ、総額はおよそ16億6000万円になるとしています。

 政府はこれまで経費総額の公表は「国葬」後としていましたが、世論や野党の厳しい批判を受け、方針を一転。松野氏は「特別の接遇を要する首脳級の代表団が50程度と見込まれることから仮定した」と説明しました。

 費用の積算根拠が示されず、さらなる増大の可能性もあるため、野党は経費の根拠や警備人数などを示すよう求めています。

 警備費の内訳は、道府警から派遣される警察官の旅費と超過勤務手当に5億円、車両や待機所の借り上げに3億円。接遇は、外国要人の車両手配や空港での受け入れに5億円、接遇のため一時帰国させる在外公館員の出張経費に1億円としています。

 政府は「友人代表」として菅義偉前首相が追悼の辞を述べると明らかにしました。

 日本共産党の志位和夫委員長は6日、ツイッターに「2・5億円が16・6億円に一挙に膨らんだ。これで済む保障もない」「憲法違反、法的根拠のない『国葬』に、1円の血税も出してはならない。16・6億円など論外だ」と投稿し、憲法違反の「国葬」の中止をあらためて要求しました。

否定的な世論 変わらない

東海大教授・永山茂樹さん

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 政府は、「国葬」後に総額を発表すると言っていた方針を変更して事前に約17億円という額を公表しました。世論は事前に発表しようとしない政府に否定的でしたが、そもそも内心の自由を侵害し、憲法違反の「国葬」を行うこと、しかも多額の費用をかけることを批判していました。ですから、開催に否定的であるという事実は、事前の額の提示によって変わるものではありません。

 今回、発表された総額は概算です。国家的な大きなイベントが概算通りに行われる保証がないのは、東京五輪の例でも明らかです。本当にこれで収まるのか国民が疑いの目を持つのは当然です。17億円をはるかに上回る額を支出する恐れを私も抱いています。


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