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2022年9月6日(火)

“国にも責任を”

生業訴訟第2陣口頭弁論 福島地裁

473人追加提訴 全体1600人超に

 東京電力福島第1原発事故をめぐり国と東電に損害賠償などを求めた「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟第2陣の口頭弁論が5日、福島地裁(小川理佳裁判長)で開かれました。同日、473人が追加提訴し、全体で1600人超となりました。


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(写真)福島地裁に向かう生業訴訟の原告ら=5日、福島市

 事故に関し生業訴訟第1陣の上告審で最高裁が6月、国の賠償責任を認めないとした判決を示しました。弁論はこの判決後初めて。

 住民側弁護士は最高裁判決の問題点を明らかにしました。判決が、国の規制権限不行使の違憲性を判断するにあたって津波対策を防潮堤に限定した問題を指摘。防潮堤の完成までの期間、最低限の措置として、建屋への浸水を防ぐ水密化を講じさせるべきだという原告らの主張について「判断が示されていない」と批判。「完成までの間の対応について、具体的事情を踏まえて判断がされなければならない」と述べました。

 また、最高裁判決後の報道各社の社説を示し、「判決は社会的にも受け入れられていない」と指摘。改めて司法に対し「事故を繰り返さない道筋を明らかにし、その責任を厳しく問うことを求める」と強調しました。

 原告で事故当時、大熊町に住んでいた60代の女性が意見陳述しました。事故により長女と離れ離れに暮らすことになりました。

 「ずっと長女と一緒に生活していけると思っていた」と声を詰まらせながら語り、「国が原発を認めてやってきたのに、東電にだけ事故の責任を負わせるのは、間違っている」と国の責任を求めました。

 裁判には多数の第1陣原告が傍聴に参加。2013年に原告に加わった女性(60代)=相馬市=は「『原発はとんでもない』と立ち上がった思いを引き継いでほしい。これからの若者たちのため、市民の安心・安全より経済優先の世の中を変え、暮らしやすい社会にするために頑張ってほしい」と第2陣を激励しました。


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