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2022年9月3日(土)

北海道新幹線工事費示さず

政府 紙議員への答弁書

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(写真)紙智子参院議員

 政府は2日までに、日本共産党の紙智子参院議員が8月5日に出した「北海道新幹線札幌延伸事業に関する質問主意書」への答弁書を決定しました。

 財務省の財政制度等審議会は4月に、2030年度末に開業を目指す札幌延伸(新函館北斗―札幌間)の工事費が1兆6700億円から、最大7000億円も膨らむ可能性を示しました。紙氏の国会質問に斎藤鉄夫国交相が「(工事費については)鉄道・運輸機構が精査している」と答えながら、答弁書では精査結果や情報公開の時期を「示すことは困難」と進行状況を明らかにしませんでした。

 国交省が「札幌と小樽を結ぶ札樽トンネル工事で発生土の受け入れ掘削工事が3年程度遅れ、巨大な岩塊(がんかい)が出現した」と答弁したことから、トンネル名や岩塊について質問。答弁書は「羊蹄(ようてい)トンネルで10メートルを超える巨大な岩塊が把握された。岩塊を砕いて除去する工法を決めて、地方公共団体と地権者等の関係者に個別に説明した」ことが明らかになりました。

 また国交省は「鉄道の競争力が向上することに伴い」、航空機、バス、乗用車などの競争力は「低下する」と認めているにもかかわらず、「交通機関(全体)の需要予測はしていない」と回答しました。

 紙氏は、「札幌市は30年に札幌オリパラ開催をめざして新幹線や道路等の大型開発計画を進めている。コロナを経験して医療、福祉の充実を求める市民の声をよそに、地方負担が伴う新幹線の札幌延伸工事を見直すべきだ」と語っています。


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