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2022年8月31日(水)

主張

臨時国会召集要求

首相は早期に開き責任果たせ

 相次いで明らかになる統一協会と閣僚らの癒着、批判が高まる安倍晋三元首相の国葬、コロナ感染第7波や物価高騰への対策―。国会で審議が急がれる重要課題が山積しています。野党は18日、憲法53条に基づき臨時国会の早期召集を求めました。それから約2週間、岸田文雄政権は召集に応じようとしていません。国民と国会への説明責任を果たさない姿勢を続けることは許されません。首相は野党の要求にこたえ、速やかに国会を開くべきです。

憲法上の義務に背くな

 憲法53条は「いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と定めています。国会が行政監視機能を十分果たすことができるように設けられた規定とされます。

 日本共産党をはじめとする6党・会派などが衆院と参院にそれぞれ提出した臨時国会召集要求書は、憲法の趣旨に沿ったものです。

 7月の参院選後、岸田首相は8月3日に臨時国会を召集したものの、野党からの徹底審議のための会期延長の求めに背を向け、わずか3日で閉会してしまいました。

 閉会直後の10日、首相は内閣改造と党役員人事を行いました。世論の批判が集まっていた統一協会との接点を認めた7閣僚を交代させましたが、新内閣では首相を含め9人の同協会との関係が明らかになりました。副大臣や政務官などを含めると統一協会と関係する政務三役らは4割超を占める深刻な状況です。統一協会との関係をきっぱり断ち切ることができるかどうかは政治の焦点課題です。

 法的根拠がない安倍元首相の国葬についても国民の異論に逆らいあくまで実施しようとしています。その費用約2・5億円を予備費から支出することを閣議決定しました。しかし、警備費などを含めると数十倍に膨れるとの報道もあり、予算のあり方を含めて国葬実施の是非を徹底的に審議することは欠かせません。

 安倍政権や菅義偉政権では、野党の臨時国会の召集要求に応じないことが繰り返されました。これに対し、野党議員が憲法違反だと訴えた裁判で、那覇地裁や岡山地裁は、内閣が臨時国会を召集するのは「憲法上の法的義務」であることを認めた判決を出しています。召集時期に関する内閣の裁量は限定的だという判断も示しています。早期召集に応じないことは、憲法の義務をないがしろにすることに他なりません。

 自民党自身、12年にまとめた党の改憲草案に「要求があった日から20日以内に臨時国会が召集されなければならない」と明記しています。これに照らしても、早期召集を拒否する理由はありません。

高まる国民の疑念と不信

 岸田政権の内閣支持率は、「朝日」(29日付)では前回から10ポイント下落して47%になり半数を割りました。「毎日」(22日付)では不支持率が54%と支持率36%を上回っています。統一協会との癒着や国葬問題への国民の厳しい批判は高まるばかりです。

 臨時国会の早期開催はもちろん、閉会中審査であっても岸田首相が出席して、審議を尽くすことが必要です。首相が売り物にする「国民の声を聞く」「丁寧に説明を続ける」ことを言葉だけにしてはなりません。


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