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2022年8月28日(日)

NPT再検討会議閉幕

最終文書採択できず

ロシア反対 禁止条約 重要さ増す

 【ニューヨーク=島田峰隆】ニューヨークの国連本部で1日から開かれていた核不拡散条約(NPT)再検討会議は最終日の26日、スラウビネン議長が示した最終文書案について採決を行いましたが、ロシアが反対したため採択できませんでした。最終文書案を採択できなかったのは前回2015年に続いて2回連続です。


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(写真)第10回NPT再検討会議の最後の全体会合で発言するスラウビネン議長=26日、ニューヨーク国連本部(石黒みずほ撮影)

 スラウビネン議長は採決に先立って「ただ一つの国が異議を唱えている」と発言。この後ロシア代表が発言し、「最終文書は各国の立場を反映したバランスの取れたものでなければならないが、この文書案はそうなっていない」と反対しました。再検討会議の最終文書案の採択は全会一致が原則です。

 ロシアは同国が占拠しているウクライナ南東部のザポロジエ原発について述べた部分などに反発。最終日までぎりぎりの交渉が続いていました。

 今回の再検討会議は、ウクライナを侵略するロシアが核兵器で世界を威嚇し、核保有国が軍拡競争を強めるなど緊迫した情勢のもとで開かれました。

 6月に最初の締約国会議が開かれた核兵器禁止条約に参加する国々は、核保有国が核軍備縮小撤廃の交渉義務を定めたNPT第6条を履行していないと厳しく批判。核兵器の非人道性を再確認し、核兵器禁止条約がNPTを補完することを訴えました。

 国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のベアトリス・フィン事務局長は26日、米英仏中ロの核保有国5カ国が核軍縮の義務に背を向けて最終文書案を弱体化させたとし、「危険な国際状況のなかで責任を放棄する姿勢だ」と非難。「NPTを補完する禁止条約がますます重要になってきている」と述べました。

 1カ月続いた再検討会議の第1週には日本共産党を代表して笠井亮衆院議員が参加しました。議長や各国外交官に党の要請文を手渡し、NGOセッションで発言しました。

 次回の再検討会議は2026年に開くことを決めました。5年ごとに開かれる再検討会議は当初20年に開かれる予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大で4度にわたり延期されました。


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