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2022年8月26日(金)

新時代沖縄 さらにその先へ

知事選告示 デニー氏駆ける

 新時代沖縄の、さらにその先へ! 4年前、急逝した翁長雄志前知事からバトンタッチした「オール沖縄」の玉城デニー知事は沖縄県知事選が告示した25日、自らの出身地であるうるま市屋慶名を皮切りに、県内8カ所を駆けめぐりました。

子ども・若者・女性を笑顔に@うるま

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(写真)「団結ガンバロー」をする玉城デニー知事(中央)と妻の智恵子さん(左)=25日、沖縄県うるま市

 「頑張れ、頑張れデニー! 県知事選を勝ち取るぞ!」。太鼓やトランペットで支援者がエールを送る中、デニー知事はうるま市屋慶名港近くの海岸沿いを駆け抜けて登場しました。

 デニー知事が沖縄本島外れの小さな港町を第一声に選んだのは理由があります。自身が2歳から10歳まで里親に育てられた時期を過ごした場所であり、「オール沖縄」の団結に注力し、告示前に急逝した新里米吉前県議会議長の出身地・平安座(へんざ)島を見渡せるからです。

 翁長前知事の急逝を受けて県知事となったデニー氏は、気迫をこめて訴えました。「翁長知事が命をかけて普天間の危険性除去、辺野古新基地建設反対を貫いたその意思を、私も折れることなく自分の信念のど真ん中に置いて、辺野古に新しい基地をつくらせない。その思いで、辺野古のゲート前で頑張ってらっしゃる方々、全国から寄付などをお寄せいただいた心ある方々と心をつないで、ぶれることなく、全身全霊で取り組んでいきます」

 子どもの貧困対策を「県政の重要政策」に位置づけ、子どもの通院費無料化の拡充や、就学支援の拡充、貧困対策のための基金積み増しなどの実績を紹介し、2期目にはさらに拡充させると表明。「新時代沖縄のさらに先へ。子どもたち、若者、女性の笑顔が輝くふるさと沖縄づくりのために正々堂々訴える」と語りました。

 トランペットを吹いて応援する男性(74)は「同級生3人は米兵にレイプされた。県民の苦しみに寄り添うデニー知事に頑張ってほしい」と期待します。90年代の大田昌秀元県知事時代からトランペットで応援。「私が奏でるのは『勝利のトランペット』だ」

民意は「明確に新基地反対」@辺野古

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(写真)米軍新基地建設は許さないと訴える玉城デニー知事(右)=25日、沖縄県名護市辺野古

 米海兵隊の装甲車が頻繁に出入りする名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ。デニー知事は、道路をはさんだ向かい側で新基地反対の座り込みを続ける人たちに盛大な拍手で迎えられました。

 デニー知事は、自公推薦の相手候補が宜野湾市長時代に、新基地建設断念などを求めた「建白書」にサインしていたにもかかわらず今回、新基地容認を掲げていることを批判。民意は「明確に辺野古(新基地)絶対反対だ」と述べると「そうだ」との声がわき起こりました。

 デニー知事は、最深90メートルに達する軟弱地盤の地盤強度のデータが示されていないなど、国による新基地建設の設計変更申請が法律の要件を満たしていないことから不承認にしたにもかかわらず、国側が不承認取り消し裁決や是正指示で承認するよう迫っていることなどに対して正当な手続きで「きっぱりと反対する」と力を込めました。

 誇りある豊かな沖縄をつくるため、イデオロギーよりアイデンティティーを大事に、県民の心をひとつにという故・翁長雄志前知事の遺志を継ぎ、「守り通し続けてきた」と強調。平和であってこその経済・観光であり、子どもたちのためにも、戦争のない平和で豊かな未来を「一緒につくっていこう」と呼びかけると、「がんばれー」との声援が送られました。

 カヌーで辺野古の海から抗議活動を続けている名護市在住の女性(54)は、デニー知事は戦争しない道、新基地工事中止、すべての基地の撤去のための「最後の最後の砦(とりで)だ」と述べ、「平和への気持ちをデニーさんに集めてほしい。戦争しないと決めている代表に投票してほしい」と訴え、自身も奮闘する決意を示しました。

基地返還 新しい街づくり@宜野湾

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(写真)訴える玉城デニー知事(左)、ナカニシ春雅宜野湾市長予定候補(右)=25日、沖縄県宜野湾市

 米軍普天間基地を抱える宜野湾市。デニー知事が到着する直前も、街頭演説スポットの真上をMV22オスプレイが旋回しながら飛行していきました。

 炎天下の中、デニー知事は、相手候補の一人が普天間基地の軍民共用を主張していることを厳しく批判。「市民の願いは町の真ん中に居座り続ける基地の閉鎖返還だ」と強調すると「そうだ」と大きな拍手が湧き起こりました。基地返還の実現で交通網を南北に整備し、国道330号の渋滞を解消できると主張。市民の望む新しい街づくりを一緒に実現させようと訴えました。

 応援に立った宜野湾市長予定候補のナカニシ春雅氏は、米軍の訓練が激しさを増し、基地から有機フッ素化合物PFASによる地下水の汚染などで市民が危機にさらされている状況は異常だと指摘。「安全な空、安全な水を市民とともに取り戻していく」と訴えました。さらにナカニシ氏は、本来は行政が実施すべきPFASの土壌調査・血液検査を市議会議員が寄付を募り実施していることに触れ、子ども・市民が核となる市政を実現していくと訴えました。

 農業の保全に取り組む、日本共産党の宮城マサル宜野湾市議予定候補は、すべての市民が毎日摂取する水が猛毒のPFAS流出で汚染されていることが悔しく許せないと強調。「人間の生きる源である水を汚染されるという人権無視の状況をただし、米軍からの汚染を必ず止めるため農家から政治に訴えていく」と決意を述べました。


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