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2022年8月25日(木)

核軍縮 女性の役割は

“男らしさ”が抑止力論に 新たな解決策生む多様性

国連本部で関連企画

写真

(写真)核軍縮とジェンダーに関する関連企画で発言するアチソン氏(右から2人目)とチャン氏(左端)=23日、ニューヨークの国連本部(石黒みずほ撮影)

 【ニューヨーク=石黒みずほ】核不拡散条約(NPT)再検討会議が行われているニューヨークの国連本部で23日、「第10回NPT再検討会議におけるジェンダーの統合と運用」と題する関連企画が行われました。各国や市民社会の代表が、核問題におけるジェンダー、核軍縮に向けた女性の役割などについて議論しました。

 コスタリカのマリツァ・チャン大使は、前日発表された核兵器の非人道性に関する共同声明が女性への放射線の影響に言及したことについて、「ジェンダーに関する文言を守るために尽力してきた」と述べました。核軍縮関連の国際文書のほとんどが「ジェンダーへの認識がない」現状に対し、「多様性は新しい視点を与え、より持続可能な解決策を見いだす」と訴えました。

 婦人国際平和自由連盟(WILPF)の軍縮プロジェクト「リーチング・クリティカル・ウィル」のレイ・アチソン代表は、この間の取り組みの中で、核の女性への影響や核軍縮や核不拡散における女性の役割が認識されるようになったと指摘。先住民や黒人が核実験の被害にあってきたことから、人種などのアイデンティティーと核との関連性が新たに考慮されるようになったと評価しました。

 核兵器禁止条約の第1回締約国会議の議長を務めたオーストリアのアレキサンダー・クメント大使も傍聴し、「ジェンダーについて異なる見方を持つ国の抵抗がある中、どうすれば前進できるのか」と質問しました。

 アチソン氏は、強さや優越を強調する“男らしさ”は核兵器を持つことで力を保とうとする国の考え方と深く関係していると指摘。「成果を出すには時間がかかる。抵抗を押し返し、ジェンダーに言及する国を少しずつでも増やしていくことこそが大切な前進だ」と話しました。


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