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2022年8月24日(水)

日本社会の根本的変革をめざす革命政党にふさわしい幹部政策とは何か

――一部の批判にこたえる

 参議院選挙の総括と教訓、内外情勢と日本共産党の任務、党づくりと統一地方選挙をめざす活動方針を明らかにした第6回中央委員会総会は、党内外から歓迎され、新たな展望と活力をつくりだしつつあります。

 一方、6中総や党創立100年をめぐるメディア報道は、日本共産党の路線や歴史を事実にもとづいて報じるのでなく、あらかじめ決められたわが党への攻撃の“ストーリー”に、都合のいい“断片”をはめこんで、論じているようなものが少なくありません。

 その一つに、党の組織のあり方、とくに党指導部のあり方に対する議論があります。たとえば、「朝日」は、社説で、「戦後の党の路線を確立した宮本顕治元議長は、97年に一線を退くまで40年近く最高指導者を務めた。現在のトップの志位和夫氏は、不破哲三氏の後を継いで委員長に就任してから20年を超す」などとのべ、党首の選出方法が党員の直接選挙でないことを問題視し、わが党の組織原則である民主集中制について「閉鎖的な体質」(同社説)との批判をなげかけています(7月16日付)。

 これまでも、党の組織のあり方や党指導部に対する批判は、日本共産党に対する攻撃の一つの重大な焦点としてくりかえされてきたものです。そこでこの機会に、日本共産党の幹部政策の基本について、あらためて明らかにしておきたいと思います。

党の幹部政策の基本――「正確で機敏で安定した指導性」「確固たる路線の継承・発展」

 日本共産党の幹部政策の基本は、時々の党大会の決定、党建設の方針で明らかにされています。直近の第28回党大会では、中央委員会が推薦する中央役員候補者名簿の提案にあたっての浜野忠夫副委員長の報告で、次のように述べています。

 「綱領一部改定案報告は、発達した資本主義国である日本での革命の事業には特別に困難な条件があることをあきらかにしました。その日本で、革命の事業を成功させるためには、中央委員会が、正確で、機敏で安定した指導性を発揮することがもとめられます。そして、革命的伝統にそって、党のひきつづく確固たる路線を継承・発展させなければなりません。そのためには、わが党の従来からの幹部政策である『長い経験と豊かな知恵をもつ試されずみの幹部』と『将来性のある若い新しい幹部』の結合という原則を堅持し、ベテランの幹部と若い新しい幹部の双方が最大限に力を発揮できる構成となるよう名簿案を作成しています」

 この報告は、大会の確認を経て、党大会の決定となっているものです。ここで直接のべられているのは中央委員会をどのような考え方で構成するかについてですが、その考え方は、幹部会、常任幹部会や、幹部会委員長、書記局長、副委員長などの党指導部をどう構成するかについての考え方を示すものでもあります。

 ここで強調したいのは、日本共産党が、日本の政治を根底から変革する民主主義革命を綱領的任務とし、さらにすすんで社会主義・共産主義社会を築くことを目標にかかげる変革の党であり、革命政党だということです。だからこそ支配勢力は、その前進・躍進をおそれ、たえず攻撃をしかけてきます。しかも2020年の綱領一部改定が明らかにしたように、発達した資本主義国における社会変革の事業には、巨大メディアの影響など「特別の困難性」があり、それを打ち破って前進をはかるためには、特別の力を必要とします。

 こうした条件のもとで、日本共産党が、日本の社会進歩の前途を切り開いていくためには、全党の統一した奮闘が必要ですが、それを保障するためには、中央委員会と党指導部が、大会決定に明記したように、「正確で、機敏で安定した指導性を発揮する」ことが必要ですし、「革命的伝統にそって、党のひきつづく確固たる路線を継承・発展」させる理論的・政治的な力をもたなければなりません。

 わが党は、「試されずみの幹部」と「若い新しい幹部」とが力をあわせて党の前途を切り開くという幹部政策を一貫して追求・実践していますが、これは単なる世代間の協力として提起されているものではありません。それは、大会決定がのべているように、党指導部が「正確で、機敏で安定した指導性を発揮」するためのものであり、党の確固たる路線を「継承・発展」させるところにこそ、その眼目があるのです。

 こうしたわが党の幹部政策は、旧ソ連などからの干渉によって党が不幸な分裂におちいった「50年問題」の痛苦の教訓の一つ――正確、機敏な指導性を発揮できる安定した党指導部がいかに重要か――を踏まえたものです。

 わが党は、こうした幹部政策を、一貫して堅持し、発展させてきました。党綱領が明らかにしている日本の社会変革の事業を実現するためには、複雑で困難なたたかいの前途をひらく理論的・政治的力をもった指導部が絶対に必要なのです。現在の中央委員会および党指導部は、こうした考え方のうえに、大会によって民主的に選出されたものにほかなりません。

「党首を党員の選挙で選ぶべき」との議論に対して――「派閥はつくらない」が大原則

 党指導部のあり方にかかわって、「党首を党員の直接投票で選ぶ党首選挙をやるべき」という議論が、一部のメディアなどで言われていますが、わが党が、そうした党首の選出方法をとっていないのには、理由があります。それは、党首を党員の直接投票で選ぶ選挙を行うということになれば、必然的に、党首のポスト争いのための派閥・分派がつくられていくことになるからです。それは、そうした党首の選出方法をとっている多くの他党の現実が証明しています。

 わが党は、党規約で、民主集中制を組織原則としています。「民主」とは、党の方針は民主的な議論をつくして決め、党のすべての指導機関は民主的選挙によってつくられるということです。「集中」とは、決まった方針は、みんなでその実行にあたり、行動の統一をはかることです。これは国民に責任を負う政党ならば当たり前の原則ですが、支配勢力の攻撃をはねのけて社会変革を進める革命政党にとっては、とりわけ重要な原則となっています。

 この組織原則は、「党内に派閥・分派はつくらない」ことと一体のものです。わが党は、派閥・分派がいかに有害なものかを、身をもって体験しています。「50年問題」のさいに、派閥・分派がつくられて党が分裂におちいったことが、党と社会進歩の事業にとっての計り知れない打撃をもたらしました。1960年代以降の旧ソ連や中国の覇権主義的干渉とのたたかいのさいにも、干渉と結びついた内通者によって党に敵対する派閥・分派がつくられ、これを打ち破ることは無法な干渉を打ち破るうえで決定的意義をもつものでした。派閥・分派を認めていたら、現在の日本共産党はかけらも存在していなかったでしょう。

 わが党は、民主集中制という組織原則を守り発展させつつ、支部から中央委員会にいたるまで、多くの国民のみなさん、市民のみなさんに開かれた党となるように努力を続け、双方向の対話や協力を続けています。民主集中制という党の自律的な組織原則の問題と、国民に開かれた党か、閉鎖的な党かという問題は全く別個の問題であり、民主集中制=「閉鎖的な体質」とのレッテルで論断することには、何の根拠もありません。

 現在の党指導部について、「まともに選挙もしないで居座っている」という非難がありますが、事実と異なります。わが党は、党大会という最高の意思決定機関で、全国から選出された代議員による民主的選挙によって中央委員会を選出し、中央委員会は、幹部会、幹部会委員長、幹部会副委員長、書記局長などを、民主的選挙によって選出しています。わが党の選挙は、どの段階のものであっても、他の人を推薦する自由、自ら立候補する自由が保障されており、実際に民主的な選挙が行われています。

 他の党の多くは、党員などの選挙で党首が選ばれた場合、党首によって党執行部が決定されるという方式となっています。わが党の場合、中央委員会という指導機関を選出し、中央委員会が党指導部という日常的に指導責任を負う集団を選出し、個人の専断を排し、集団の英知を結集した党運営を貫いていることも、民主的特徴となっています。

 わが党は、さきに紹介した幹部政策にもとづいて、その時々に、もっとも適切と判断された中央委員会および党指導部を民主的に選んできました。個々の幹部の在任期間の問題は、その結果にすぎません。こうした指導部の選出のあり方こそ、日本社会の根本的変革をめざす革命政党としての日本共産党にふさわしいものであると確信するものです。

 2022年8月23日

 日本共産党中央委員会党建設委員会


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