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2022年8月18日(木)

沖縄知事選 戦争か平和か

対中国 米海兵隊が増強

訓練・基地強化 全国に波及

 米海兵隊は沖縄への部隊増強をすすめ、中国を想定しインド太平洋地域への軍事的関与を強めています。在沖海兵隊の強化は、訓練や基地強化で全国に波及しています。玉城デニー知事が再選をめざす沖縄県知事選(25日告示、9月11日投票)は、沖縄と日本を米軍の前線基地として戦争に巻き込むのか、憲法を生かした平和の道かが問われています。(佐藤つよし)


図:沖縄の海兵隊増強と全国の訓練激化・基地強化

 対中国作戦で米海兵隊が進めているのが、「遠征前進基地作戦」(EABO)です。九州南端から南西諸島、台湾、東南アジア地域にかけて中国が設定する防衛ライン「第1列島線」上の離島を奪取し、高機動ロケット砲システム(HIMARS=ハイマース)などを配備。中国の艦船や航空機を威嚇・攻撃する作戦です。

 担うのは、歩兵大隊、砲兵中隊を中心に兵員1800~2000人で編成する「海兵沿岸連隊」(MLR)です。米海兵隊はインド太平洋地域にMLRを3個編成する計画で、今年3月ハワイに第3海兵沿岸連隊が発足。沖縄にも2個、第4海兵連隊、第12海兵連隊を司令部に編成を計画しています。

 米海兵隊は、2012年6月以降、西海岸、東海岸、ハワイから半年交代で1個ずつ、常時3個の歩兵大隊(約900人)を沖縄に増強し、東富士演習場(静岡県)や隣接する米海兵隊キャンプ富士、北富士演習場(山梨県)で日常的に訓練。米海兵隊はキャンプ富士を将来的にEABOの「中核拠点」にする方針です。

 昨年1月、今年3、6月には、地上部隊の訓練と合わせて岩国基地(山口県)のFA18C戦闘攻撃機、F35B戦闘機による爆撃訓練を実施。山梨県や静岡県上空では、KC130J空中給油機からの空中給油の実施が、住民の目撃情報や各地の平和委員会の調査で明らかになりました。厚木基地(神奈川県)には、普天間基地(沖縄県)のMV22オスプレイやヘリ、岩国基地のF35Bも飛来。整備拠点化も進んでいます。

 静岡・御殿場平和委員会の渡邊希一事務局長の話

写真

(写真)渡邊希一事務局長

 政府は「沖縄の負担軽減」「痛みを分かち合う」と、県道104号越えのりゅう弾砲の実弾砲撃やオスプレイの訓練を全国に広げましたが、実態は、沖縄の海兵隊を増強し、全国で訓練を強化する「本土の沖縄化」を進めることでした。危険な空中給油を、F35B戦闘機が山梨県上空とも同様に静岡県上空でも行いました。

 東富士演習場やキャンプ富士では、沖縄でできない訓練を日常的に行っています。沖縄の米軍基地撤去・撤退は、東富士の米軍の訓練をやめさせ、基地の返還に直結します。

 辺野古米軍新基地建設などの問題は沖縄だけの問題ではありません。沖縄県知事選で玉城デニー知事の再選へ、全国から支援を強めたい。


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