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2022年8月11日(木)

きょうの潮流

 上司や目上の前では平身低頭だが、部下や下請けなどには高圧的。理屈ではなく慣例や同調圧力で部下を黙らせる。とにかく保守的で、若い人のために一肌脱ぐなんてことは地球最後の日が来てもやらない―▼「おっさん」の定義です。請われてラグビー協会の理事に就任しながら、男社会、ムラ社会の中ではじき出されてしまった法学者の谷口真由美さん。その経験を『おっさんの掟』に書いています▼谷口さんは、あの森喜朗氏の女性蔑視で話題となった「わきまえない女」の代表格と目された人物。森氏の発言は多くのラグビー協会の男性理事や協会職員幹部たちの「本音」でもあり、女性や若者といった組織内での弱者の意見が反映されない日本社会の表れではないかと▼きのう発表された内閣の改造人事。大規模な入れ替えといいながら閣僚19人のうち女性は2人だけ。若手も少なく、まさに「おっさん」ばかりの顔ぶれです▼岸田首相は「戦後最大級の難局にあり、有事の政権運営が求められる」といいますが、死者急増のコロナ拡大や物価高をはじめ、これまで無策だった面々の持ち場を変えたところで国民の期待には添えません。大軍拡への道もしかりです▼谷口さんは「おっさん」を年齢や性別だけでくくっているわけではなく、その封建的な価値観や体質にこそ問題があるといいます。統一協会と軌を一にする自民党の根深い性差別。それに、がんじがらめに縛られた組織のままでは、いくら目先を変えてもやることは同じです。


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