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2022年8月4日(木)

きょうの潮流

 松本清張は戦後作家の中で群を抜く巨星です。『点と線』『ゼロの焦点』など社会派ミステリーで一大ブームを起こしました。『日本の黒い霧』『昭和史発掘』といったノンフィクションでは歴史と権力犯罪の闇に迫りました。4日は没後30年に当たります▼北九州で生まれた清張は家が貧しく、小学校卒で働き始めた苦労人でした。小林多喜二をはじめとするプロレタリア文学に接したため特高警察に逮捕され、拷問を受けたこともありました▼戦後43歳で芥川賞を受賞し遅咲きのデビュー。ベストセラー作家になっても弱者の視点を忘れませんでした。評論家の鶴見俊輔は「少年時代に愛読したプロレタリア文学の理想を受け継ぐ人で…戦後の高度成長の時代に個人としてこの理想を追求した」と評しています▼選挙では日本共産党を応援し、1970年代、80年代は国政選挙のたびに党のビラに顔写真入りで期待を寄せてくれました。80年の衆参同時選挙ではビラにこんな談話を▼「私が共産党の人たちに求めるのは、いつまでも清潔さを失わず、誠実に庶民の立場をつらぬくこと、明るく、ロマンチズムを忘れぬことである。現実を重視するのはもちろん大切だが、ロマンのない人では未来を語ることができないからだ。大いに期待している」▼幅広いジャンルにわたった1000編に及ぶ作品は現在も版を重ね、ドラマ化が途切れません。82歳で亡くなった後も作品は生き続けています。日本共産党への激励も創立100年の今に響きます。


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