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2022年8月3日(水)

首相演説 憤る被爆者

NPT再検討会議

保有国に条約履行迫れ

広島県被団協理事長 佐久間邦彦さん

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(写真)1日、ニューヨークの国連内で記者会見する佐久間氏(石黒みずほ撮影)

 【ニューヨーク=石黒みずほ】核不拡散条約(NPT)再検討会議が開幕した1日、広島県原爆被害者団体協議会の佐久間邦彦理事長は、ニューヨークの国連内で記者会見しました。同会議で岸田文雄首相が行った演説で、締約国に核軍縮にむけた交渉義務を課したNPT第6条や核兵器禁止条約に一切ふれなかったと批判しました。

 佐久間氏は「岸田首相は被爆者の気持ちがわかっていない。被爆者は生きているうちに核兵器のない世界の実現を願っている」と述べ、「被爆国として核保有国に対し、NPT第6条と核兵器をなくすとのこれまでの合意の履行を迫ることが日本政府の役割だ」と指摘しました。また、岸田首相が言及した現実的なアプローチについて、「核保有国に迫らず、何が現実的アプローチだ」と批判しました。

米追従では廃絶できぬ

カナダ在住 サーロー節子さん

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(写真)1日、ニューヨークの国連内で記者会見するサーロー氏(石黒みずほ撮影)

 【ニューヨーク=石黒みずほ】広島の被爆者でカナダ在住のサーロー節子氏は1日、岸田文雄首相が核不拡散条約(NPT)再検討会議で行った演説について「いつまでも米国に追従していては、首相が求める社会(核なき世界)は来ない」と日本政府の姿勢を批判しました。ニューヨークの国連本部で記者団に語りました。

 サーロー氏は、岸田氏が演説の冒頭で核なき世界にむけて「あらゆる現実的な措置を段階的に行わなければならない」と述べたにもかかわらず、核兵器禁止条約に一切触れなかったと指摘。「被爆者の願いをどこまで真剣に考えているのか実感できない」と語りました。

 世界の若者に核の実態を知ってもらうための基金の創設など、岸田氏が提案した行動計画に理解を示しつつも、政府自体の姿勢が問われていないと批判。「抑止論に基づいた米国の核政策を支持し、核のない世界を求めるというのは矛盾がある」と述べました。

 また、ロシアがウクライナ侵略で他国を核で威嚇していることについて、「核があるゆえに解決できない。もう(侵略開始から)5カ月もたち、人命が失われ続けている。核軍縮の必要性がより鮮やかに示された」と話しました。


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