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2022年8月2日(火)

“男らしさ”が軍拡競争生む

ジェンダーと安全保障テーマに講演

原水爆禁止世界大会 科学者集会

 原水爆禁止2022年世界大会・科学者集会(オンライン開催)が7月31日、開かれました。2日目の同日は、和田賢治・武蔵野学院大学准教授が「ジェンダー化する安全保障」と題して、戦争ができる国づくりの背景にある“男らしさ”などについて講演し、集会は閉幕しました。

 国家が国外の脅威から国益を守るため、他国よりも大きな力を持とうとする背景について語った和田さんは、強さを求める“男らしさ”が国際間の軍拡競争をもたらしていると説明しました。

 「男らしくあらねばならない」という価値観に縛られた国際関係が生み出されている大本に「他者への恐怖と憎悪がある」と述べ、「安全保障は、安心よりも不安、秩序よりも緊張、平和よりも戦争を生む一因になっている」と強調しました。核兵器のような暴力によって安全を守ろうとすることは、男らしさの中でも有害で(核兵器によって)新しい秩序が生み出されることはないと訴えました。

 男性的な国家や為政者のあり方について、和田さんは「誰もが(無意識に)普遍的なものと思っている基準だが、乗り越える必要がある」と指摘。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のようなお互いに協力し支え合いながら平和を構築する運動の拡大への転換を強調しました。

 今年の大会のメインテーマは「『安全保障』と差別」。核開発や安全保障体制が差別構造のうえに維持されていることなどを議論しました。初日の24日には、米国の核開発の裏に隠された先住民族の犠牲の実態が報告されました。


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