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2022年7月27日(水)

主張

迫る沖縄県知事選

“命どぅ宝”の県民の心示そう

 8月25日告示、9月11日投票の沖縄県知事選が目前に迫っています。「オール沖縄」の玉城デニー知事の再選を何としても勝ち取り、岸田文雄・自公政権が強行している辺野古新基地建設や、「敵基地攻撃能力」の保有など「戦争する国づくり」の企てに「ノー」の審判を下し、「二度と沖縄を戦場にさせない」という県民の思い、“命(ぬち)どぅ宝”(命こそ宝)=反戦平和の沖縄の心を示すことが必要です。

新基地断念に追い込む

 デニー知事は6月の出馬表明の記者会見で「普天間基地の一日も早い危険性の除去は最大級の課題であり、辺野古新基地は断固として認められない」と強調し、「世界一危険と言われる普天間基地は県外・国外への早期移設、閉鎖・返還を政府にさらに求めていく」と述べました。19年2月の県民投票で示された7割超の辺野古新基地反対の民意に応えたものです。

 知事は昨年11月、名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、大浦湾の埋め立て予定地で見つかった軟弱地盤の改良工事のために政府が申請した設計変更を不承認にしました。そのため同湾での埋め立て工事は不可能になっています。今回の知事選でデニー氏を再び勝利させることは、県民の辺野古新基地反対の意思を改めて政府に突き付け、建設断念に追い込む決定的な力になります。

 一方、自民党沖縄県連が擁立を決めた佐喜真淳前宜野湾市長は、辺野古新基地推進の立場です。

 同県連の島袋大幹事長は「(辺野古新基地容認など)参院選の政策は知事選の選挙公約や政策でもある」「(参院選沖縄選挙区公認候補の)古謝玄太氏と、知事選の自民党候補に決まった佐喜真淳氏は連動していく」(沖縄タイムス7月2日付)と明らかにしています。

 今年5月、デニー知事は本土復帰50年に当たり、「平和で豊かな沖縄の実現に向けた新たな建議書」をまとめました。この中で岸田政権が進める「沖縄の軍事的機能を強化しようとする動き」や「敵基地攻撃能力」保有の議論などについて「悲惨な沖縄戦を経験した県民の平和を希求する思いとは全く相いれるものではない」と批判し、平和的な外交・対話による緊張緩和と信頼醸成を政府に求めました。佐喜真氏が「しっかりとした防衛力が必要だ」(5月28日、自民党県連の知事選候補者選考演説会)と主張しているのと対照的です。

 故・翁長雄志前知事とデニー知事の下で大きく前進した暮らしや福祉施策のさらなる充実も大切です。「誰一人取り残さない沖縄」がデニー知事の信条です。仲井真弘多元知事時代に3歳までだった医療費助成制度は、翁長県政で小学校就学前まで、デニー県政で中学校卒業まで窓口負担が無料になりました。小学校3年生までだった少人数学級はデニー県政で中学校3年生にまで拡大されました。

全国からの連帯・支援を

 岸田・自公政権は、7月の参院選沖縄選挙区で当選した「オール沖縄」の伊波洋一氏に3千票弱の差に迫ったことを踏まえ、「本丸は知事選」と位置付け、「戦略の練り直し」(茂木敏充自民党幹事長)を図り、総力を挙げ県政奪還へ執念を燃やしています。それをはね返してデニー知事の再選を果たすには、「オール沖縄」の団結と野党の共闘、全国からの連帯・支援をいっそう強めることが急がれます。


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