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2022年7月22日(金)

きょうの潮流

 新型コロナウイルス感染拡大の勢いが止まりません。感染者数が連日、過去最高を更新し続けています。熱が出ても発熱外来を受診できない人もいるといいます。さぞかし不安なことでしょう▼新型コロナウイルスは私たちの生活を大きく変えました。重度障害のある人とその家族も例外ではありません。生活の質や健康、人権の侵害につながるほど不当に大きなものです▼『コロナ禍で障害のある子をもつ親たちが体験していること』(生活書院)が、実態を告発します。日本ケアラー連盟代表理事で、重症心身障害のある娘がいる児玉真美さんが編集しました▼「コロナ禍の前から障害のある人とその家族は社会から見えにくい存在だった。コロナ禍がやってきて、私たちはさらに社会から見えない存在にされていく」。そんな社会でいいのかと問いかけ、障害者のケアは“家族依存が前提”とする福祉や医療の矛盾をあぶり出しています▼重度障害など大きな困難を抱える人が入院する場合、平時は家族の付き添いが求められました。新型コロナ感染で障害者が入院すると、当初は家族や支援者の付き添いは認められませんでした。コロナからは回復しても口から食事がとれなくなったり、精神科への入院を余儀なくされたり…。付き添い禁止は命に直結する問題です▼英国では、知的障害者の新型コロナで死亡した確率は障害のない人の約4倍に。「命を守るため」として、障害者や家族の生活の質や人権を後回しにしない道が求められます。


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