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2022年7月19日(火)

盧溝橋事件から85年

歴史知れば、未来に向かえる

「中国人民抗日戦争記念館」館長 羅存康さんの思い

 今年は、中国北京市近郊で起きた盧溝橋事件(1937年7月7日)をきっかけに始まった日本の中国への全面侵略戦争開始から85年です。盧溝橋近くにある「中国人民抗日戦争記念館」の羅存康館長に事件の教訓や日中友好への思いなどを聞きました。(北京=小林拓也 写真も)


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ら・そんこう 1970年生まれ。1996年から中国人民抗日戦争記念館に勤務。副館長などを歴任し、2020年に館長に就任。

 盧溝橋事件で始まった日本による中国への全面的な侵略戦争は、中国人民に深刻な災難と大きな苦痛をもたらしました。中国の推計によれば、3500万人が死傷し、人民の生活は破壊され、多くの人が家を失い、難民となりました。1937年12月には南京大虐殺も起きました。

 85年たったいまでも、事件を振り返ることは現実的な意義があります。いまの世界は、平和で安定しているとは言えません。国と国とは平和的に共存すべきで、問題解決のために戦争という手段をとるべきではありません。

 世界各国の人民は、当時の歴史から教訓をくみ取り、手を携えて、共に平和的発展の道を歩み、平和な地球をつくりあげるために努力する必要があります。

 日本は侵略戦争の教訓をくみ取り、軍国主義の道を再び歩むべきではありません。日本国憲法第9条も堅持してほしい。中国人民は侵略の歴史を否定・歪曲(わいきょく)・美化することに断固反対します。

 中日両国の人民は共にアジアの平和を維持していくべきで、この地域で争いが起き、混乱することを許してはなりません。今年の中日国交正常化50周年を契機に、両国間の人的・文化などさまざまな民間交流を強めていきたい。

 記念館として、新型コロナウイルス感染が落ちついたら、多くの日本人、とくに若い世代が中国を訪れ、記念館を訪問することを歓迎します。交流し、当時の歴史を理解することで、未来に向かうことができます。われわれと歴史観を異にする日本の方にもぜひ記念館を訪れてほしい。

 盧溝橋事件 1937年7月7日、中国・北京近郊の盧溝橋付近に駐屯していた日本軍が、夜間演習中に中国の国民党軍から発砲があったと称して攻撃した事件。31年9月に鉄道を故意に爆破した柳条湖事件を起こし、中国東北部への侵略(満州事変)を開始していた日本は、盧溝橋事件を口実に、中国への全面的侵略を始めました。


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